出版社内容情報
姑が亡くなり、住んでいたマンションを処分することになった。業者に頼むと高くつくからと、嫁である望登子はなんとか自分で遺品整理をしようとするが、あまりの物の多さに立ちすくむばかり。「安物買いの銭失い」だった姑を恨めしく思いながら、仕方なく片づけを始める。夫も手伝うようになったが、さすが親子、彼も捨てられないタイプで、望登子の負担は増えるばかりである。誰もが経験するであろう、遺品整理をユーモアーとペーソス溢れる筆致で描く長編小説。
内容説明
独り暮らしの姑が亡くなり、住んでいたマンションを処分することになった。業者に頼むと高くつくからと、嫁である望登子はなんとか自分で遺品整理をしようとするが、あまりの物の多さに立ちすくむばかり。「安物買いの銭失い」だった姑を恨めしく思いながら、仕方なく片づけを始める。夫も手伝うようになったが、さすが親子、彼も捨てられないタイプで、望登子の負担は増えるばかりである―。誰もが直面する問題をユーモラスに描いた長編小説。
著者等紹介
垣谷美雨[カキヤミウ]
1959年兵庫県生まれ。明治大学文学部卒業。2005年「竜巻ガール」で、小説推理新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
779
垣谷美雨のタイトルは、わかりやすい。「、迷惑です」(読点のタメにいろんな意味が含まれているような気がする)と言い切った、遺品整理は本当に面倒でした。私も、5年前、母の遺品を前に途方に暮れたことを、思い出した。この共感が、多くの人にこの本を読ませている。しかし、単なる「迷惑」でない、遺品整理が故人の違う面を発見する機会であったり、複雑な感情が整理をしながら沸き起こるのも、また真実だった。2022/08/23
ヴェネツィア
691
垣谷美雨は14冊目だが、この作品も軽快なテンポで日常生活 に生じた危機を語り、それを解決してゆくという物語である。ただ、今回は幾分か深刻さの度合いが緩やかで、その後の展開もまた辛辣さはしだいに影を潜めるばかりか、むしろ和解し受け入れてゆく。主人公の望登子(語り手でもある)がそれ相応の年齢ということもあり、価値観の衝突から多様性の受容へと変容してゆくのである。プロットもいつもながらスピード感とテンポで面白いが、町内会の丹野の登場からはトントン拍子にことが運びすぎるようにも思う。 2024/03/18
Yunemo
476
なんだか、あまりにも淡々とした展開すぎて。姑の遺品整理の過程で、主人公望登子が実の母と姑に対する比較について、心の内が記されます。一目見た時のとんでもない遺品の数々、ここから始まる苦悩の連続、嫁としての立場が実母との比較により姑批判へと進む有様は、ホントホントと納得感で一杯になり。でもね、ここから変化していく心の内が、公平な見方になっていくまでのちょっとした事実の積み重ねがジワジワと胸に響いてくるのです。逆に淡々と描かれてるからそのままを実体験として味わえるのかも。生前整理を始めましょう、と言われてもね。2019/12/08
うっちー
415
近所づきあいも変わりました2019/06/01
milk tea
378
姑の遺品を整理する嫁・望登子。3DKの家は簡単に片付けられると思っていたが、物が溢れかえり唖然とする。エレベーターのない4階からごみ置き場まで何往復もしなければならない。いっこうに片付かない部屋を見渡すたびにイライラと疲れが増す。癌を患っていた母は、亡くなる1年半の間に徹底的に整理していた。義母と母の対比。しかし、姑の遺品整理をしていくうちに、いろいろなことが明らかになり、同じ団地に住人からは面倒見がよく感謝されていたことを知る。また弟の嫁と母の関係が望登子が思っているものと違っていた。2020/02/02
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