二千七百の夏と冬〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 282p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784575238631
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

ダム建設工事の作業中に、縄文人男性と弥生人女性の人骨が発見された。二体はしっかりと手を重ね、互いに顔を向け合った姿であった。三千年近く前、この男女にいったいどんなドラマがあったのか?新聞記者の佐藤香椰は次第にこの謎にのめりこんでいく。縄文から弥生へ、時代のうねりに翻弄された悠久の愛の物語。

著者等紹介

荻原浩[オギワラヒロシ]
1956年埼玉県生まれ。成城大学卒業。広告会社勤務を経て、コピーライターとして独立。97年『オロロ畑でつかまえて』で第10回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2005年『明日の記憶』で第18回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

137
この作者のものはあまり読んだことがありません。この本の観点はかなり面白く読みました。縄文時代に場面を移してのある意味若者のビルドゥングスロマンではないかと思いました。少年から青年に移っていく主人公がある集落で暮らしていて、その集落を出ていきひとり立ちをしていく様子が描かれています。2017/08/04

モルク

113
2011年縄文人と思われる男女2体の白骨が発見され、その取材にあたる新聞記者の香椰の話が縄文時代の小村ピナイに暮らす少年ウルクの話に挿入される形で進む。狩猟と細々あわ、ひえなどの作物を育てているピナイの村。1年に1度海の方に住む「魚喰い」の人々と物々交換するのを楽しみにしていた。病の弟のために禁断の南の森に入ったウルク、その罪を受け稲を求めて村を出ていくまでの物語。神への畏怖と感謝を生活の中心としていくなか、羆であろうものとの戦い、謎の異民族少女との出会いなどがあり、この先どうなっていくのか楽しみである。2023/05/30

hiace9000

107
人がまだ、自然界に満ちた精霊と神々を畏怖し、時に感謝を捧げ、獣を狩り、木の実を採集し共同生活をしていた紀元前7世紀。15歳のウルクは禁忌の森で謎を秘めた海渡りのカヒィと遭遇する。挟まれる2011年の佐藤香耶とともに時代を遡り遷移没入し、縄文世界を旅する歴史ロマン。寄り添うように発掘されたニ体の人骨の正体は?何故そこに?神の実コーミーは諍いと災厄をもたらすのか? 荻原さんの縄文史解釈にわくわくしながら、ウルクのピナイからの旅立ちまでが描かれた上巻を読了。すべての何故と謎を背負い、いざ!下巻へ。😆2023/02/26

kishikan

103
2,700年前、それは縄文と弥生時代の重なる時代。人が90歳まで生きるとして、それを今から30回後戻りすれば、その時代に行き着く。そんな時代に生きた青年の生活を活き活きと描いた物語。現代のある日、手を握り合った古代人男女の人骨が発見されたことから物語は始まり、現代と古代とが入れ替わりながら物語は進む。なんとなく、こんな風に話が進んでいくのかなぁ、と思いながらも古代の自然の雄大さにページをめくる手が止まらない。荻原さんの懐の深さに感心しつつ、上巻読了!2015/02/04

masa

87
【家族写真】以来、久々の荻原さん。今回はいつもと違うテイスト。手を繋いだ男女の人骨がダム現場で発見されたのをキッカケに物語は彼等が生きた縄文時代へと…。主人公ウルクは「勇気なしの子」と蔑まれながら未亡人の母と弟を守り一人前の男へ成長する。病を患う弟の為に掟を破り村を追われる所で上巻終了。中盤までの展開は盛り上りに欠けたが、後半は森で出会った謎の女が今後のカギとなることを想起させイッキ読み。いざ、下巻へ‼2015/02/14

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