内容説明
顔もボクシングも地味な冴えないボクサー、黒木為朝。ある日、彼のもとに「PRマンとして雇ってほしい」という男・沖島が現れる。契約料はなんと百円。うさんくささを感じたものの、ライバルとの世界タイトル戦を組むという言葉に思わず契約を結ぶ。しかし、その時まだ彼は知らなかった。今後自分が“悪役ボクサー”になることを―。底辺から頂点を目指す、型破りの格闘小説。
著者等紹介
水原秀策[ミズハラシュウサク]
1966年、鹿児島県出身。早稲田大学法学部卒業。不動産会社勤務、衆議院議員秘書(公設第二)などを経て、第3回「『このミステリーがすごい!』大賞」大賞受賞、『サウスポー・キラー』にて2005年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
78
横関さんの炎上チャンピオンのボクシング版みたいな感じ。本作ではPRマンの策略がメインです。でもこれだけ働いて100円って・・・本当に生活できるの?2019/01/22
まつじん
19
この題名はちょっと嘘臭いといいますか、内容に合ってないなぁ。表紙の通りボクサーを売り出していく、そうスポーツというよりはパブリシティ。あ、ワシ自分自身が意味のわかってない言葉を使ってしまいました。広げようと思えばもっと広げられる話をあっさりと書き上げた感じです。最後に相手のジムの会長を頷かせた写真の謎が最後までわかんないのも、ひとつの”芸風”なのでしょうか。まさか、手抜き???2012/04/21
ひとまろ
7
ボクシングの世界でボクサーを商品として PRマンが世間を誘導していく。 実際、ボクシングの世界では人気がないとテレビ中継も無く、 世界戦でも盛り上がりに欠けることはしばしばある。 そんな内幕を盛り込みつつどうやって世界戦を組むのか!? PRマンの仕事ぶりが面白かった。2013/12/30
ハルト
7
米国帰りのロビイスト─PRマンが「ヒット商品」として目につけたのが、無愛想なボクサーだった。腹に一物あるPRマンやその部下の気っ風のいい美女、ボクシングのことしか頭にない無骨なボクサーに、そのライバルの人気ボクサー。どの登場人物も個性あり魅力的でした。実力だけでなく売名行為─世間へのアピールで、いかに名を上げのしあがっていくか。戦うためには、ボクサーとしてやっていくには実力だけでは無理というスポーツ界の事情。どうやって金の卵を産み出すか。スポーツマネージメント?的な部分がおもしろかったです。2012/07/06
ラムネ
6
タレントが芸能界を生き抜き、高みに上り詰めるには、 才能や実力とともに、運や事務所の力、人気が必要だ。 ボクシングはれっきとした競技スポーツだけれど、 マッチメイクの興行が絡み、 ボクサーはある種、芸能人と同じ能力が求められる。 強いだけではチャンピオンにはなれない。 勝ったからといってチャンスは与えられない。 その才能を世間に訴え、ブームを作り出す仕掛け人が必要となる。2018/03/13