出版社内容情報
離婚した妻が引き取り、もう15年以上も会っていない娘が、突然結婚の報告に来た……(「いちばん新しい思い出」)など、胸を打つ八編の物語。15万部突破のベストセラー『家族の言い訳』、『こちらの事情』に連なる、著者最新の家族愛短編集。
内容説明
私は破れた鯉のぼりを抱え、「おかあちゃん、僕んちには本物の鯉のぼりはないの」と涙をこぼしながら尋ねた。答えあぐねている母を尻目に、「ヒデ、鯉のぼりを上げるなんてのは立脈な男の子がいるうちがするもんだ。お前みたいな子のために上げる鯉のぼりは、うちにはねえ」伯母はそう言い切った。―父のいない家庭で育ち、苦労と我慢を重ねた主人公に、訪れたささやかな奇跡とは(「夜の鯉のぼり」より)。心に沁みる家族小説短編集。
著者等紹介
森浩美[モリヒロミ]
放送作家を経て、1983年より作詞家。現在までの作品総数は700曲を超え、森川由加里『SHOW ME』、田原俊彦『抱きしめてTONIGHT』、SMAP『青いイナズマ』『SHAKE』など数多くのミリオンセラーを手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかし
231
【振り返り】久しぶりに読み返したくなり、手に取った1冊。一話目の「いちばん新しい思い出」が切なくも大好きなストーリー。 とても、わかりやすい内容ではあるが、父親の気持ちについつい入りこんでしまい、娘からの手紙には、何度も泣かされてしまう。 似た環境だからだろうか、卒業や別れのちらつくこの3月になると、ついつい手に取ってしまうでしょうか…。2015/07/31
紫綺
124
涙腺決壊警報発令!公共の場での読書は、くれぐれもご留意ください!通勤途中のバスの中で読み始め、しまった!と思った時には涙がにじむ。あわてて窓外に目線を転じ、必死に堪える。「桜散らず」〜植物人間状態の妻を自宅介護で寄り添おうとする夫。闘病中の頃の思いと重なる。2015/05/15
ゆみねこ
76
読友さんの感想から手に。8つの短編、どのお話も親子や夫婦などを描いている。最初の「いちばん新しい思い出」で涙腺決壊。「夜の鯉のぼり」「黒たまご」「桜散らず」も心に残りました。2015/05/20
miyumiyu
70
SMAPなど、数多くのミリオンセラーの歌を作詞した森浩美さんの作品。離婚などで離れた父と子の絆、苦労して育ててくれた母に対する息子の思いなど、ジンと胸が熱くなる短編集。「いちばん新しい思い出」は号泣。「夜の鯉のぼり」「黒たまご」「桜散らず」も良かった。何が起こるか分からないのが人生。いま一瞬一瞬の家族との絆を大事にしていこうと思った。2015/05/18
ちゃんみー
60
父から娘へ。息子から母へ。夫から妻へ。家族の繋がりの素晴らしさを感じた良き本でした。どの立場の話も良かったし、だからこそ涙が出てきました。2015/06/03