出版社内容情報
小学生の頃の僕は、家でも学校でも自分の居場所を見つけられないままでいた。やがて成長した僕は私立高校に進学。団地や学校や街を舞台に、平成生まれのニュートラル・ジェネレーションたちが疾走する。気鋭の大藪賞作家が放つ、青春ノワール現代文学。
内容説明
人はたぶん、おそろしく長い時間をかけて死んでいく。死のはじまりが人生のどこかにある。『このミス』大賞&大藪春彦賞作家が描く少年のゆるやかな破滅。
著者等紹介
東山彰良[ヒガシヤマアキラ]
1968年台湾で生まれ、福岡県で育つ。第1回『このミステリーがすごい!』大賞銀賞・読者賞を受賞し、2003年『逃亡作法 TURD ON THE RUN』でデビュー。『路傍』で第11回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ずっきん
81
消しちゃったらしく再登録。【東山彰良祭り】いまわのきわに死神と見る走馬灯。リアルで追っかけてたら「ど、ど、どこにいくの、東山さん」と心配になったかもしれない。わたしの読解力の問題なのか、それとも書き手のもがきなのか。著者の作品ではじめて迷った。なのに、どうしようもない悲しさややるせなさを、なぜ、まるで音楽を奏でるように綴れるのか。口ずさみたくなる。体を揺すりたくなる。やっぱ、元気が出る。2021/06/01
阿呆った(旧・ことうら)
13
〈僕たちにあるのはささやかで、他人には価値がないものばかりなのに、それすらも思いどおりにならない。〉東山彰良さん初読み。映画のワンカットシーンのような構成が良かったと思う。2015/07/26
zanta
11
250/9/16/2016 難しい。私の読解力では、中途半端なものになってしまった。あまりにも断片的で、結果的に主人公がどうなったのか、超常現象の意味など不明なまま読了。2016/09/16
虫尾
5
なぜだか東山の作品を読むと、涙が出てくるんだ。 彼の描く人物の、与えられないと分かっていながら求め続けるものや、機械や虫のように単純になりたいのに、なることの叶わない哀しい性に、いつでも感応してしまうのかも知れない。2010/05/03
カツ
4
初期の頃の荒っぽさが薄れて、「流」の様な深みが足りない感じの少年の成長物語。東山さんの作品は、予想もつかない比喩や、巧な情景描写・心理描写が楽しめればそれで良いのだ。何時までもその世界に浸っていたい気分にさせてくれる。しかし、ソンブレロの意味が分からなかった。2020/01/12