内容説明
「競馬なんて、畜生が走って、乗ってるのは他人だから、当たるわけがないってよく言うじゃありませんか」「ええ」「レース前に、結果がわかるなんていうのは、ありえないことでしょ」「ええ。ファンの側にとってみれば、ありえないことなんです」「それがありうるっていうんですか」「そうなんですよ。競馬を主催している競馬会のほうでは、結果をすべて、レース前に知っているというんです。そういう噂が流れているんですよ」「レース前に勝ち馬がわかっているわけですか」「勝ち馬ばかりじゃありません。2着になる馬も、3着になる馬も、みんなわかっているというんです」「勝つはずの馬が、レース中に骨折することだってあるじゃないですか」「ええ。その骨折する馬までわかっているというんですよ」―密かに噂されるように、中央競馬に陰の演出者は存在するのだろうか?奇想天外競馬小説!