内容説明
父が仕える辺境伯の悪だくみに巻き込まれて…エイキンの奇想天外、歴史&冒険物語。
著者等紹介
エイキン,ジョーン[エイキン,ジョーン][Aiken,Joan]
1924‐2004。アメリカの詩人コンラッド・エイキンの娘として、イギリス、サセックスのライで生まれる。母親はカナダ人。5歳のころから物語や詩をノートに書きつけ、十代の後半から作品を雑誌などに発表しはじめる。若くして夫を亡くしたのちに、本格的な作家活動に入る。作品は児童文学だけではなく、大人向きのミステリー、詩、戯曲など多岐にわたり、生涯で約100点の本を出版した。1969年『ささやき山の秘密』でガーディアン賞を受賞
こだまともこ[コダマトモコ]
小玉知子。東京都生まれ。早稲田大学卒業。文化出版局で雑誌の編集にたずさわったのち、児童図書の翻訳と、創作をはじめる。白百合女子大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュシュ
22
このシリーズにすっかりはまってしまった。少女ダイドーのハラハラする活躍も面白いが、貧しい社会で懸命に生きている大人や子どもたちにも惹かれた。ダイドーの父ちゃんは素晴らしい音楽を作る才能がありながらも、酔っぱらっては子どもに暴力をふるい、悪いことにも加担する最低な人間。こんな父親を持ったダイドーの悲しみも書かれている。読み応えのある児童書。2020/02/07
いっこ
5
エイキンの短編集3冊を読み終え、今度は「ダイドーの冒険」シリーズに向かう。タイトルにダイドーとあるので飛びついてしまったが、『ウィロビー・チェースのオオカミ』が第1巻だった。『ダイドーと父ちゃん』は第6巻だったけれど、十二分に楽しめた。ダイドーの家庭環境が、とても児童書とは思えない設定なのだが、とんでもない父ちゃんを持ったダイドーの純粋さとたくましさに感服した。読んでいると自分の心の中にある、おとなと子どもの境界線のようなものが薄れていった。2024/04/02
頼ちゃん
4
このシリーズはどれも面白い。2022/03/27
timeturner
4
父ちゃんの人物造形にはとても児童書とは思えない深みが。2012/06/28
ヴェルナーの日記
3
ダイドー冒険シリーズの6作目。やっとダイドーはサイモンと再会し、なんとサイモンはバターシー公爵になっていた。しかし再会したのも束の間、新たなる陰謀をハノーバー党のアイゼングリム辺境伯が企てていた。しかもダイドーの父親も陰謀に深く関わっていた……。著者の作風は、ディケンズ張りの人物描写に、プロットの複雑さにある。初めに複数の複線を張り、終盤に一気に回収していく展開だ。本作は他作品に比べ少し単調なプロットになっているが、その分最下層に生きるロンドンっ子(ストリートチルドレン)たちの描写に力が入っている。2013/07/19