内容説明
第2次世界大戦末期の、荒れはてたイタリアを舞台に、孤児グイドら“小さな魚”たちが、たくましく生きていく姿を描く。改訳新装版でおくる、1970年度第16回課題図書にも選ばれた戦争児童文学の傑作。小学校高学年からおとなまで。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
twinsun
5
人間が悪のかたまりでないとしたら、あまりにおそろしいことではないかという「だぶだぶ」じいさんの言葉は、獣でないおとなの顔にも、なにかかくしているものがあるように思えてくるというアンナの言葉に重なる。戦禍を精一杯生きている普通の追い込まれた人々の間を食われまいと三匹の小魚のような子供たちが泳ぎ続け一匹は力尽き二匹はぼろぼろになりながらも淀みのなかを生き延びる。そして奪い奪われる中で責めず在るものを受け止め、わかろうとすることがしあわせに通じると信じて歩き続ける姿に底なしでない未来への希望を見た。 2024/10/23
かずちゃん
4
この本の魚とは、子供のこと、第2次世界大戦中のイタリア が舞台になっている。孤児たちが、戦争の世の中で、生きていく内容 人間ほど、バカな生き物はいないと著者は言っている戦争するなんてということだろう。 最後に主役は、どうなったのかは、読者の想像にまかせてるようだ。2017/09/16
うさうさ
2
アンデルセンの英訳で有名なホガードの著書。前回は気がつかなかったが、何となくアンデルセンに影響されているような気がした(神の存在など)。 書かれていないこと(言っていないこと)について考えていなかったとグイドは言っている。この人が言っている意味はよくわからなかったが、もっとその人の状況を理解することが大切なことは良くわかった。 2012/12/23
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
1
【子どもの本ブックトーク】おすすめリスト (イギリス)(戦争)(文章が美しい)2012/04/11
qbmnk
0
イタリアで第二次世界大戦下に戦争孤児が生きていく話。「火垂るの墓」に通じるものがある。現代の戦争でも似たようなことは起きているのだと思う。戦争はどのようなものかという問いかけへの一つの答えと作者がはしがきに書いているが、これらの記憶は戦争から遠ざかると忘れられていくものだとも感じた。戦争を知る世代には辛すぎる記憶であり、戦争を知らない世代には現実として伝わりにくく子供向けには徐々に読まれなくなっているように思う。だが、これらの現実を伝え続ける努力はするべきだと感じる。2024/05/14
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