内容説明
結婚が趣味の母親、頭の良い異父姉妹…。女ばかりの家族の中で馬鹿にされ、大人を信用できない14歳の少年チャールズ。夏の日、顔半分に火傷を負った〈顔のない男〉と出会い、現実を見つめ愛を恐れずに生きていくことを知った。中学生から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ののまる
15
大好きないきつけの小さな古本屋で購入。思っていたのと全然違うストーリーで、びっくりの連続だったけど、引き込まれて一気読み。2018/04/04
北条ひかり
9
3時間10分。音声デイジー。岩手県立視聴覚障がい者情報センターと音訳者さんに感謝。母・姉とうまくいかず、寄宿学校に合格して家を出ようとする思春期の少年が、顔半分をやけどで失った先生に勉強を教えてもらうことになる。誰とも交われない少年が、父または友としての先生と交流をしていくが・・・。正直なところ、僕には作者の意図するところが十分に理解できたとはいえない。それは、僕の両親が僕をネグレクトしたために教会に預けられたからかもしれないし、また、僕がそれをトラウマとして人間的に成長できなかったためかもしれない。2016/10/30
わたる
9
高校の頃、読書感想文を書いたの思い出した…大人になってから再読。映画DVDはまだ観てない。私もこれは同性愛ものというより、人としての愛を描いたものだと思う。マクラウドの心を開いたのはジャスティンだし、ジャスティンの心を開いたのはマクラウドだった。最後は悲しくて、でもあたたかくて思わず涙が出た。ジャスティンが大人になっていく過程で、島の出来事が支えになるんじゃないだろうか。がんばれ。あーそれにしてもなんと切ないことか。2013/04/13
kuruton.
7
同性愛の芽生え、というテーマですが、それ以上に歳の離れた二人の心の交流、歩みより、そして生まれた友情に胸を打たれます。ジャスティンは大きな優しさを持った尊敬できる大人だし、チャールズも自分の過ちを反省できる素直な子だし、二人の密やかで尊い、あの優しい時間がもっと続いてほしかっただけに終わりは切ない。日本人作家さんにはなかなか書けない分類の小説だし、読んで良かったと心から思えました。そしてグロリアは嫌いです。2015/10/16
193
7
前情報として得ていた「同性愛の芽生え」をテーマとした本と認識して読んだのですが良い意味で裏切られました。この本は同性に惹かれていく様子を描いた本ではなく、14歳の少年が自分を認め成長していく物語です。家から脱出するために〈顔のない男〉に勉学を教わることになった少年は、家族からの否定による自己憐憫・逃避により遠ざかっていた自分を見つめなおすことになります。1972年に発表されたためか結末がゲイ小説にありがちな展開になっているような気がしないでもないですが、少年に明日への扉を示したようにも思える読後感です。2012/12/09
-
- 和書
- イメージ・シンボル事典