出版社内容情報
一世を風靡した食の雑誌(昭和26〜43年)全巻から、忘れがたい味覚に伴う人生の折々を語る、珠玉の随筆129編を精選、全3巻にまとめる。第1巻は司馬遼太郎氏らの作家篇、第2巻は小林秀雄氏らの学者・評論家篇、第3巻は團伊玖磨氏らの諸家篇と充実の豪華執筆陣。
内容説明
戦後五十年、日本人の食生活はずいぶん変ったように見える。しかし、この“飽食の時代”、「食べる」という生活の基本的行為がぞんざいになされがちな一方、それぞれ趣のある四季の折々に、種類・形状・色彩も持味も実にヴァラエティーに富み、数も無量といえる自然の幸を享受することの喜びは、多くの人がますます強く感じているところだろう。シリーズ最終巻の本書は諸家篇。登山家、劇作家、随筆家、詩人、歌人、放送作家、洋画家…といった人びとが前二巻でと同様、喜びの「食」の経験を愛着こめて開陳している。
目次
おかあちゃん
北陸地方で食べたもの
忘れられない味
兎の肉の味について
鶴の味
山寺の贅
食う虫食わぬ虫
蛾を食べる話
オペラの料理屋
リンゴの話〔ほか〕