内容説明
危険可能性のある原子力発電がいいのか、地球温暖化を招くかもしれない火力発電がいいのか?また、効果はあるが危険もある新しい薬を使うかどうかを決めるには?―このような選択・意志決定の際にどのような「リスク」があるかを情報開示し、それに対し人々がどう考えるか、のコミュニケーション過程が重要となる。本書は、政策決定者や技術者と一般の人々の間のリスク・コミュニケーションのあり方に関する心理学的知見をまとめる。とくに、わかりやすく伝えるための表現技術、受け手の認知の特徴、信頼を得る手続きなどについて、くわしく解説する。
目次
第1章 リスク・コミュニケーションとはなにか
第2章 リスク・コミュニケーションが取り扱う問題
第3章 個人的選択についてのさまざまな理論
第4章 個人的選択に関する各分野の研究
第5章 社会的論争についてのさまざまな理論
第6章 社会的論争に関する実証的研究―ことに信頼の確立に向けて
第7章 リスク・コミュニケーションはどうあるべきか