出版社内容情報
日本列島は文明の吹きだまりだから、中国から多くの知識や技術が流れ着いた。
当然、古代日本の文物のほとんどは中国や朝鮮半島に由来すると信じられてきた。
しかし近年、縄文文化が見直され、現代にまでつながる「三つ子の魂」が縄文一万年の時代に形成されていた可能性が指摘されるようになってきた。
海の外から新たな文物が流入しても、縄文的な発想で取捨選択し、列島人にとって必要な物だけを選んでいたこと、さらに、工夫を加え、日本の風土に合わせて改良していった様子が見てとれる。
そして、無視できないのは、縄文人の残した美意識や知識、技術が今日まで継承され、また、長い歴史の中で何度も文化の揺り戻しが起きていたという事実である。
なぜ日本人は、ことあるたびに昔に戻ろうとしたのだろう。
ここに、日本人を知るためのヒントが隠されている。
中国文明と対比しつつ、日本人とは何かを巡る、壮大なヒストリー。
※本書は、二〇二〇年三月にPHP新書として刊行されたものに加筆・修正したものです。
内容説明
中国と比べてわかる「日本らしさ」古代史専門の著者が語る、比較「文明」論。
目次
第1章 中国文明の幕開け(中国文明は人を幸せにするのか;孔子が理想視した古代中国王朝 ほか)
第2章 縄文人の正体(縄文とつながる伊勢神宮;日本列島人のルーツ探し ほか)
第3章 森を失った中国文明・森を守り海を走る縄文文明(森と文明;乾燥地帯は悪魔の巣? ほか)
第4章 一神教と縄文文明(文明とは何か;「文明」は人類に幸せをもたらしたのだろうか ほか)
著者等紹介
関裕二[セキユウジ]
1959年、千葉県柏市生まれ。歴史作家。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。仏教美術に魅せられて足繁く奈良に通い、日本古代史を研究。文献史学・考古学・民俗学など、学問の枠にとらわれない広い視野から日本古代史、そして日本史全般にわたる研究・執筆活動に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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