出版社内容情報
日本ではこれまで、不祥事やテロなどのニュースを除いては、宗教は公共の話題になりにくかった。しかしながら、2021年の安倍元総理大臣銃撃事件をきっかけに、カルト的宗教の問題、宗教二世の困窮の問題、政教分離と信教の自由をめぐる問題などが広く認識されるようになった。
人類文化の「原点」を占めている宗教を、個人の内心の問題としての「信仰」からいったん離れて、文化的・社会的・思想的な「知識」として理解する――。それを行なうのが本書のテーマ「宗教学」である。
本書は、『面白くて眠れなくなる宗教学』を改題し、文庫化したものである。基本的な内容は親本に準拠しているものの、新宗教、カルト、無神論ないし宗教批判といった、ニーズが高いと思われるトピックに関しては、加筆したり新たな節を設けたりしている。また、巻末にある「読書案内」の中身も刷新している。
世界観が広がり、社会を見る目を養える一冊。
内容説明
これだけは押さえておきたい宗教学の基本の「き」!
目次
1 宗教と宗教学(宗教と宗教学―信仰と学問の立場の違いをはっきりさせました。;宗教学の歴史―宗教学は学際的な学問です。;聖と俗―宗教の多くは日常性を超えた「聖」の存在を前提とします。 ほか)
2 世界の宗教(八つの宗教―世界の大宗教は中東、インド、東アジアに生まれました。;ユダヤ教―ユダヤ教はキリスト教やイスラム教の母胎となった重要な一神教的伝統です。;キリスト教―開祖イエス・キリストを神と仰ぎ、その愛の教えを実践します。 ほか)
3 宗教学から見えてくること(アニミズム―宗教の基層には霊魂の信仰があると言われています。;シャマニズム―日本の宗教は伝統的に憑依する霊能者の影響力が強いとされています。;神話―物事の起源を表す太古の物語を神話と言います。 ほか)
著者等紹介
中村圭志[ナカムラケイシ]
1958年北海道生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学(宗教学・宗教史学)。宗教学者、翻訳家、昭和女子大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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