出版社内容情報
心に鬼を棲まわせた“独眼竜”にして奥州の覇者、伊達政宗。数多の武将から恐れられ、後世にもその名を残した男の周囲には、たくましく、そしてたおやかな女性たちがいた――。
我が子に毒を盛ったとされる母・義姫、影ながら政宗を支え続けた妻・愛姫、片倉小十郎の姉で政宗を育てた喜多、松平忠輝に嫁いだ娘・五郎八姫、真田信繁(幸村)の娘・阿梅……戦国の世を凜と生き抜く伊達の女たちを主人公にした連作短編集。
内容説明
心に鬼を棲まわせた“独眼竜”にして奥州の覇者、伊達政宗。数多の武将から恐れられ、後世にもその名を残した男の周囲には、たくましく、そしてたおやかな女性たちがいた―。我が子に毒を盛ったとされる母・義姫、影ながら政宗を支え続けた妻・愛姫、片倉小十郎の姉で政宗を育てた喜多、松平忠輝に嫁いだ娘・五郎八姫、真田信繁(幸村)の娘・阿梅…波瀾の戦国の世を、凛と生き抜いた伊達の女を主人公にした連作短編集。
著者等紹介
佐藤巖太郎[サトウガンタロウ]
1962年、福島県生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。2011年、「夢幻の扉」で第91回オール讀物新人賞を受賞してデビュー。16年、「啄木鳥」で第1回決戦!小説大賞を受賞。17年、『会津執権の栄誉』で第7回本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞、第157回直木賞候補作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yonemy
1
伊達政宗を描いた御本を読むのは初めてかもしれない。母に毒殺されかけた、秀吉との関係など史実程度しか知らなかったので、いい勉強になりました☆戦国女性はしたたかというか、信念を持たずしては生き残れなかったのだろう...と。自分のことも己で決められないもどかしさ悲しさ。自己責任社会の現世では考えられないけれど、いつの時代も心だけは自分のものなんだなあ。2024/03/24
乳酸発酵のお陽
1
東北の女は胆力があるよ。2024/02/09
好奇心
0
戦国の雄、伊達政宗の身近にいて、大いにその生涯に影響を与えた、六人の女性を取り上げた、母義姫、妻愛姫、保姆 (ほぼと読む)母親に代わって子どもを育てる婦人のこと、 娘五郎八姫・重臣片倉重長の継室 阿梅 特に興味深かったのが阿梅 真田幸村の娘でもあり 他に大八・妹を戦乱の中、政宗に預けたのは何故か、またそれを受け入れた政宗の心中は如何に? 戦国武将同士の矜持か? 片倉と名乗り現代まで続いた真田家の命脈は正に政宗のお陰であり、明治維新後 片倉から真田に名を戻した 嘘のような本当の話である 2024/03/30
Ryo0809
0
戦国の世も末期。東北地方の雄、伊達政宗の生涯に大きく関わった5人の女たちを綴る短編集。母、妻、保母、娘、そして真田の娘。この時代、武力や調略を恃みに領地を拡大し、婚姻により人質を為し、約定や和議により周囲と和しながら家の安泰や体面を築いてゆくが、それには女たちの力が大きかった。本作に登場する女の矜持には清々しささえ感じる。どれも秀逸な作品だが、最終編「鬼封じの光」に本作タイトルを伊達女とした意図が落とし込まれていて、作品全体に奥行きを感じさせつつ、きりりと締めくくっている。2024/01/22