出版社内容情報
加藤 元[カトウ ゲン]
著・文・その他
内容説明
「ほかに好きなひとができた」―次から次へと女性とつきあい、すぐにそう別れを告げる男・神崎登吾。唐突な別れを受け入れられない萠は、姿を消した彼を追い、自分より前の交際相手、登吾の同級生、親戚などを訪ねて回る。彼に運命を捻じ曲げられた人々の証言から、徐々に浮き彫りになる登吾の過去。そして萠が最後に辿り着いてしまった、衝撃の真実とは。戦慄の傑作サスペンス。
著者等紹介
加藤元[カトウゲン]
1973年、神奈川県生まれ。日本大学芸術学部中退。2009年、『山姫抄』(講談社文庫)で第4回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。2012年、『泣きながら、呼んだ人』が盛岡のさわや書店が主催する“さわベス”文芸部門第一位を獲得する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タケチヨ
28
『他に好きな人ができた』という台詞、別れ際の常套句としてはなんとも身勝手な理由だなという印象しかありませんでしたが、本作はその言葉の裏に潜む真意について深く考えさせられる内容でした。幼少の頃の親からの屈折した愛情や同級生からのイジメを経て、他人からの好意の言葉に恐怖を感じるような人格に育ってしまった主人公がなんとも切なくも哀れ。別れを告げられながらも納得のいかない萠の猟奇ぶりや主人公を昔から監視しているかのような中年男性の存在も相まって、なんとも不気味な雰囲気の物語でした。2022/11/09
きたさん
22
なるほど、こういう着地点だったのか…と最後まで読んでようやく「サスペンス・ミステリー」であることが腑に落ちた作品でした。恋愛がテーマではあるけれど、決して恋愛モノではないので個人的にとても読みやすかった。先が気になって一気読みしてしまったので、2回目でじっくり読んでいこう。2022/09/15
aki
14
Kindle Unlimited// 「好き」という言葉の本質について。 前半、話の中心だった登場人物が後半では全く出てこない。 後半から出てくる登場人物も印象が薄いような、なのに重要なキーワードを残す? さらっと読めるけど、もう少し深掘りしたくなる作品。2024/11/18
Mayrin
11
これまで読んだ加藤元さんとは違う気がします。続き が気になる、面白い作品でした 2022/09/23
うさレモン
10
タイトルと、表紙の彼に惹かれて購入。次から次へと女性と付き合い「ほかに好きな人ができた」 と、すぐ別れを告げる神崎登吾 。急に振られたら辛いけれど、別れを受け入れられないからといって過去の彼女やら親戚やらを訪ねて回る萌の気持ち悪さに胃がむかむかしてました。感想は「好きだから相手の全てを知りたい」とか、「あなたのために」なんて言う奴はろくなもんじゃないな、と。神崎登吾、最初のイメージとラストでのイメージがガラリと変わりました。表紙の雰囲気から間宮祥太朗さんのイメージで読みました。萌は松本まりかさんかな。2022/11/02