出版社内容情報
“今世紀最強の霊媒師”と謳われ、「浮遊霊、地縛霊問わず、あらゆる霊障、祟りに対処し、速やかに解決する」と豪語する霊媒師・櫛備十三には、実は肝心の霊を“祓う”力がない。今日も助手の美幸に叱られながら、持ち前の洞察力とハッタリを駆使して、心霊現象の問題解決に奔走するが、事態は毎回思わぬ方向に転んでいき――。記憶を失くしたサラリーマンの霊、マンションの一室に取りついた十七歳の少女の霊……インチキ霊媒師が明らかにする、霊たちの秘密とは? 異色の除霊ミステリー、堂々開幕!
内容説明
“今世紀最強の霊媒師”とうたわれる櫛備十三は、実は霊を“祓う”ことができない。助手の美幸に叱られながら、持ち前の洞察力とはったりを駆使し、心霊現象の問題解決に奔走するが、事態は毎回思わぬ方向に転んでいき―。記憶を失くしたサラリーマンの霊、マンションの一室に取りついた十七歳の少女の霊…インチキ霊媒師が明らかにする、霊たちの秘密とは?異色の除霊ミステリー堂々開幕!
著者等紹介
阿泉来堂[アズミライドウ]
北海道出身。『ナキメサマ』(受賞時タイトル「くじりなきめ」)で第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞“読者賞”を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっちゃん
157
今世紀最強のインチキ霊媒師登場。冴えない容姿から胡散臭さと小悪党の雰囲気をぷんぷんとさせながら、が実は、並外れた観察力と洞察力を駆使してこの世ならざるもの達が現世に遺した未練を丁寧に聞き取って浄化へと導く。巧みなミスリードで驚かされるのもまた愉しからずや。作家那々木のおどろおどろしいシリーズも良いが、これもまたこれからの展開が楽しみであることよ。2022/07/05
★Masako★
75
★★★★☆ 新シリーズ1作目。霊が視えて会話も出来るが、除霊は出来ない霊媒師・櫛備十三。お金の為にいい加減な仕事もするが、鋭い洞察力と推理力で、その場に留まる霊たちの悩みを解決していく。4話からなる短編集だが、最初はあまりいい印象を持てなかった櫛備も、ちゃんと霊に寄り添い最善の解決策を考えてるんだなと思えて好印象に♪後半になるにつれ、櫛備の助手の美幸の状況や櫛備との関係性も見えてくるが、櫛備に関してはまだまだ謎めいた部分があるので、続編を早めに読みたい♪2023/05/09
sin
61
ホラーや怪談ではなく毛色の変わったミステリーだ!?いや霊のお悩み相談か?除霊は出来ない職業霊媒師は、霊を視ることと霊との意思の疎通に依って願いを叶え成仏へと導くのだが、どうやら幽霊と云うものは生きている人間よりも自分中心のようで、生前の思い込みや願望に依って真実を曲げて、その記憶に微妙にずれを生じさせている。そして、そのずれが一般的なミステリーとの違いを産み出し謎解きの妙味に繋がっているように感じた。彼自身の事もだが、助手の美幸の行く末も気になる所で物語はまだ結末を顕にしてはいない。2022/07/14
ひらちゃん
56
贋物霊媒師って視えるだけってことか!助手の美幸の正体だけでなく、まだまだ謎が残ってるのでこれから徐々にってことでしょうか。不真面目なようでいて信頼できる存在の櫛備だからこそ、美幸との関係も微笑ましく思えるのかな。除霊は出来なくとも霊に寄り添って解決していく。生きていてもそうでなくても変わらない姿勢はいいかも。中でも「自慢の兄」が印象に残りました。2023/04/19
うまる
53
視えるだけで祓う力が一切ないペテン霊媒師の活躍譚。『お迎えに上がりました』の胡散臭いバージョンってとこでしょうか。トリッキーな所は全部わかってしまったけど、霊の言い分や解決する過程が面白かったので満足満足。助手のつっこみ具合も楽しいです。櫛備自身の話は全然出てきてないので、続きそうな感じですね。那々木同様、シリーズになったらいいなと思います。2022/05/20