内容説明
金はないけど情はある、個性豊かな店子が揃い、「おけら長屋」は毎日がお祭り騒ぎだ。黒石藩の藩主・高宗の側室問題に、長屋の住人たちが力を貸すことになり…「あやつり」、暴力亭主から逃げたお竹を長屋にかくまうことになるが、魚屋の辰次が彼女に惚れてしまい…「たけとり」、八百屋の金太に白犬・銀太の相棒ができるが、銀太には子供を襲った疑いがかかっていて…「きんぎん」など、四編を収録。
著者等紹介
畠山健二[ハタケヤマケンジ]
1957年、東京都目黒区生まれ。墨田区本所育ち。演芸の台本執筆や演出、週刊誌のコラム連載、ものかき塾での講師まで精力的に活動する。2012年、『スプラッシュマンション』(PHP研究所)で小説家デビュー。文庫書き下ろし時代小説『本所おけら長屋』(PHP文芸文庫)が好評を博し、人気シリーズとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんたろー
157
第十八巻も安定の面白さで読ませる4つの噺…中でも殿様・高宗、奥方・玉姫、側室候補が絡んだ『あやつり』は本巻で一番のお気に入り👍初登場の玉姫が素敵なキャラで、長屋の住人も巻き込んで、お家の一大事を解決する展開は泣き笑いしつつ楽しめた。『たけとり』では八五郎&お里夫婦の馴れ初めに微笑み『さいころ』では老いらくの恋に大笑いした。『きんぎん』は金太主役で馬鹿噺と思いきやチョッとホロッとした。万松コンビや鉄斎&お染がいつも通りに活躍するのもファンとしては嬉しい。末永く続いて欲しいシリーズだし、早くも次巻が楽しみ♬2022/04/19
のり
120
相変わらず「おけら長屋」は賑やかで良いなぁ~。色恋話画像多かった本作。面白可笑しく上手くまとめる能力は凄過ぎる。問題を起こしても誰かが回収してくれる。どの話も良かったが、ダントツで「きんぎん」が良かった。いつも通り「金太」には笑わせてもらい、しかも体を張って男気をみせた。仲間の為なら、さらに躍動する「おけら軍団」。「銀太」も長屋でレギュラーになって欲しかった。2022/12/14
タイ子
117
今回も笑った、笑った!そして、ホロリとさせられた。黒石藩のお殿様のお世継ぎ問題。そこから派生した一人の女性の悲しい人生を長屋の連中がひっくり返す、ホロリ!旦那のDVから逃げてきた女性をかくまうおけら長屋。悪名高きおけら長屋はDV男より強かった!一番笑ったのは「さいころ」爺さん2人が惚れた女を白状するシーン。その結末は…ナイショ。金太が主人公になる「きんぎん」。白い犬は金太の家来なのか、金太が家来なのか、かどわかし事件に巻き込まれて金太の大災難&大活躍。今回はお染さんのセリフにグッときた第18弾。2022/03/27
初美マリン
107
金太がいい!そして彼を一人の仲間としているおけら長屋、本当にユートピア!2022/04/24
いこ
103
このシリーズは本当にいいです。図書館にお世話になってばかりの私が、このシリーズだけは発売日に購入する位です。おけら長屋はぼろくて貧乏人ばかりと言われるけど、「金はないけど情はある」そんな人ばかりです。今作も、長屋の全員が力を合わせて、次々舞い込む事件を鮮やかに解決していきます。藩主さまの側室問題解決。DV夫から逃げてきた女性問題解決。大家と老友の恋愛問題解決。子供が野犬に襲われた事件解決。おけら長屋に任せたら、困り事よろず解決。解決までのやり取りは、本当に落語みたいで面白いです。未読の方、勿体ないですよ!2022/05/27