出版社内容情報
文具に一生をささげた店主の祈りは神に届き、祈った夜と同じ数だけの文具に――命が宿った。
文具にまつわる不思議で怖い短編集。
【命を宿した文具たち】
「ケシゴム」……人間の姿形、命、そのほか何もかもを消すことができる
「ハサミ」……縁を切りたい人に刃先を向けると、縁縄(えんなわ)が見え、刃で切ると、縁も切れる
「マスキングテープ」……「かわいい」を広めることを使命としている
「コンパス」……美しい円を描けるなら、どんな手段も選ばない
「ホッチキス」……恋する相手の守護文具になることにあこがれている
「セロハンテープ」……絆創膏を超える仕事をするのが夢
その他、ごほうびシール、赤青鉛筆、三角定規&分度器セット、学習セット、蛍光ペン、墨液、ノートとペン、修正ペンが登場!
◆イラスト:旭ハジメ
内容説明
文具にまつわる不思議で怖い短編集。
著者等紹介
旭ハジメ[アサヒハジメ]
イラストレーター。兵庫県出身。書籍の装画や挿絵を中心に活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
37
なぜ文具なのか? 手に取ってふだん使いするのだから、親しみも愛着もわく。そんな道具には命があってもいいような錯覚も生まれるだろう。しかしそこを転じて、あえてバッドな存在として見立てると、不幸をもたらす物語が生まれるわけだ。命をふきこんだ人間の真摯な祈りに逆らってでも。「ケシゴム」は途中まではありがちな展開だが、やっぱりそう来ましたか。「ホッチキス」は思った通りというべきか、読むだけで痛くなるなぁ。こんなにも何でもかんでも命をふきこまれると、例えば学校の教室なんて、すごいことが起こるかもしれない。2025/05/13
dotkawahagi_bk@だいたいホラー小説しか読まない
8
とある小さな文房具店が閉店した。町中に昔からある、個人経営の文房具屋。最近、客足が少なかったせいで多くの文具が売れ残ってしまっている。店主はその文具たちを不憫に思い、彼らに命を与え、活躍の場を得られるように祈ったのだった。 *** 児童書より。5分間で1話読み切れる短編集。ホラーチック文具という名の通り、”文具”に焦点を当てた珍しいホラーである。文具をホラーに仕立てるなんて想像ができない……というままに読んでみたが、これがなんと非常にユニーク。作者のセンスに脱帽した。2022/04/15
史
7
作者読み。ホラーであり、なんとも性格が悪い話であろうか。文房具が嫌いになりますねこれでは。身近なものの変貌という怖さである一方で、まあ一つや二つくらいスッキリする話が欲しかったなというのが本音。2024/05/08
千代
4
『文具に一生をささげた店主の祈りは神に届き、祈った夜と同じ数だけの文具に――命が宿った。』文具にまつわる不思議でちょっとひんやりする14編からなる短編集。タイトルに「ホラーチック」とあるように、命を得た文具達の起こす行動は楽しいものではない。文具に一生を捧げた店主の願い…文具の神…こんなんでいいのか?まぁホラーだから仕方ないけど。比較的穏やか?なオチの「学習セット」「蛍光ペン」「墨液」、あとエピローグが好き。ケシゴム最強かな…。「愛の!」「学習」「フォーメーション!」2022/05/09
noko
3
主人公は文房具。そしてホラー。小さい町の文房具屋さんが、店主が歳をとり、お客も減り、閉店することに。まだお店には在庫がある。店主の願いは文具に命が宿ること。その願いが叶い、文具たちは自分に見合う持ち主を探す。その話がなんとも不気味なストーリーになっている。消しゴムは、何でも消すことが出来るらしい。何でもの中には人も含まれる。ショートストーリーが沢山載っているので、ちょっとした時間に読めていいね。我が子は真剣に黙々と読んでいた。漢字の一部には読み仮名があったが、簡単なのには無いので、小3位から対象かも。2025/02/26