出版社内容情報
戦後、連合国軍占領下の日本では米国兵士と日本人女性の間に生まれた子供たちが街中に捨てられ、悲惨な状況に追い込まれていることが社会問題となっていた。
三菱創業者である岩崎弥太郎の孫娘で、外交官婦人でもあった沢田美喜は現状に心を痛め、女性たちが子供を託せる施設、エリザベス・サンダース・ホームの設立に乗り出す。
資金繰り、世間からの差別の目、子供たちの行く末……様々な困難を乗り越え、千六百人近い子供たちを育て上げた女性の物語。
【目次】
内容説明
戦後、連合国軍占領下の日本では米国兵士と日本人女性の間に生まれた子供たちが街に捨てられ、悲惨な状況に追い込まれていることが社会問題となっていた。三菱創業者である岩崎弥太郎の孫娘で外交官夫人でもあった沢田美喜は現状に心を痛め、女性たちが子供を託せる施設、エリザベス・サンダース・ホームの設立に乗り出す。資金繰り、世間からの差別の目、子供たちの行く末…。様々な困難を乗り越え、千六百人もの子供たちを送り出した女性の物語。
著者等紹介
植松三十里[ウエマツミドリ]
静岡市出身。東京女子大学史学科卒業。出版社勤務、7年間の在米生活、建築都市デザイン事務所勤務などを経て、作家に。2003年に『桑港にて』で歴史文学賞、09年に『群青 日本海軍の礎を築いた男』で新田次郎文学賞、『彫残二人』(文庫化時に『命の版木』と改題)で中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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detu
15
9/13~17了。図書館新刊棚より。沢田美喜、誰ぞ?と思いきや三菱財閥の祖、岩崎弥太郎の孫娘。子供頃はお嬢様として自由奔放闊達に育ち、外交官の伴侶を得てからは海外生活。英国で孤児養護施設と関わり、やがて日本でも、夢を抱く。敗戦により三菱財閥は解体。夫も公職追放。開設は前途多難も夫の協力もあり、すぐさま孤児の引取りが始まる巷に溢れる戦争孤児、究めてのGI孤児に特化した養育施設を目指すも世間の目は厳しく運営も苦労の連続。地道に寄付を募り綱渡りの毎日。2025/09/19
mitubatigril
8
あの岩崎弥太郎の孫がこんな人物がいたとは初耳でした。 お嬢様らしいと言うか豪快でキップもよくてなのに世間知らず でもキリスト的考えに感銘受けて育ち子供が育った後に長年の目標だった福祉に全力で取り組んで行く 戦後の混乱期にアメリカ兵などとの子供が出来るも育てられず捨子のなるような孤児を引き取りホームとして受け入れる困難なんてがむしゃらに動けば何とかなるかの様に勢力的に行動する スーパーお嬢様でもなかなか出来る事ではない事をやってのける。 作者の作品は自分的に当たり外れがあるけど今回は当たりでした♪2025/09/25
ひとまろ
5
三菱創業者の岩崎弥太郎の孫の澤田美喜の物語。エリザベス・サンダース・ホームの立ち上げから運営の苦労を知ることができた。つい先日、NHKで当施設の紹介映像を観たところだったので非常に興味深く読めた。不屈の精神と愛のある魅力的な人物でした。2025/09/21