出版社内容情報
犯人が称賛を受けた大久保利通暗殺や大隈重信暗殺未遂、背景に失恋のショックがあった原敬暗殺…。現代の暗殺の起源に迫る。
内容説明
大久保利通暗殺後、犯人である島田一郎を主人公にした小説が刊行されて大評判となった。また、爆弾を投げつけられて一命をとりとめた大隈重信は犯人の勇気を称賛し、そのことで大隈の人気も上がった。日本には暗殺者への同情的文化が確かに存在していたのである。一方、原敬暗殺の真因は、これまであまり語られてこなかった犯人中岡艮一の個人的背景にあった。犯人が抱えていた個人的行き詰まり・挫折感は現代の暗殺にそのままつながるものである。近現代史研究の第一人者が、明治と大正の暗殺を丁寧に語り、さらに暗殺に同情的な文化ができた歴史的背景についても考察する。
目次
第1章 明治編(政治の非合理的要素として;赤坂喰違の変(一八七四年) 岩倉具視暗殺未遂事件
紀尾井坂の変(一八七八年) 大久保利通暗殺事件
板垣退助岐阜遭難事件(一八八二年)
森有礼暗殺事件(一八八九年)
大隈重信爆弾遭難事件(一八八九年)
星亨暗殺事件(一九〇一年))
第2章 大正編(朝日平吾事件(安田善次郎暗殺事件)(一九二一年)
原敬首相暗殺事件(一九二一年))
結び(朝日平吾事件に通底している昭和の暗殺事件;同情の文化的背景;現代的暗殺の特質)
著者等紹介
筒井清忠[ツツイキヨタダ]
帝京大学文学部日本文化学科教授・文学部長。1948年、大分県生まれ。京都大学文学部卒業。同大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。文学博士。奈良女子大学助教授、京都大学教授などを経て、現職。東京財団政策研究所主席研究員。専攻は日本近現代史、歴史社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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