PHP新書<br> 「叱れば人は育つ」は幻想

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「叱れば人は育つ」は幻想

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569853826
  • NDC分類 141.6
  • Cコード C0211

出版社内容情報

村中直人氏は、脳・神経科学などの知見から、叱ることには「効果がない」と語る。叱られると人の脳は「防御モード」に入り、ひとまず危機から逃避するために行動を改める。叱った人はそれを見て、「ほら、やっぱり人は叱らないと変わらない」と思ってしまうのだが、叱られた当人はとりあえずその場の行動を変えただけで、学びや成長を得たわけではないのだ。そして厄介なことに、人間には「よくないことをした人を罰したい」という欲求が、脳のメカニズムとして備わっているため、叱ることで快感を得てしまうのである。
では、どうすれば人は成長するのか。本書は臨床心理士・公認心理師で、発達障害、不登校など特別なニーズのある子どもたち、保護者の支援を行ってきた著者が、「叱る」という行為と向き合ってきたさまざまな分野の識者4人と、叱ることと人の学びや成長について語り合った一冊である。
1人目は元東京都千代田区立麹町中学校校長で、「宿題廃止」「定期テスト廃止」「固定担任制廃止」などの学校改革を実践した工藤勇一氏。工藤氏は、叱責ではなく問いかけを糸口にして対話をしていく方法」として「①『どうしたの?』 ②『きみはこれからどうしたいの?』 ③『先生に手助けできることはある?』」の三つの言葉を学校の教員に伝えてきた、と説く。
2人目は企業・組織における人材開発・組織開発について研究している立教大学経営学部教授の中原淳氏。部下指導の際に、叱責ではなくフィードバックというアプローチを行うことを提唱している。フィードバックとはまず、相手にとって耳の痛いことであっても率直に伝える「現状通知」を行い、その後に「立て直しの支援」を行うというものである。
3人目は元女子バレーボール日本代表の大山加奈氏。日本代表合宿の練習で怒声を浴び続け、心のバランスを崩し、不眠や激しい動悸に苦しみ、ひどいときには目の前が真っ暗になって倒れるまでになったという。「勝つことだけがスポーツの価値ではない、子どもたちには笑顔でスポーツに親しんでほしい」と語る。
4人目は、編集者で株式会社コルク代表取締役社長の佐渡島庸平氏。そもそも人を叱らなければならない状況に陥るのを防ぐ「前さばき」について取り上げ、幸福度を上げる「三角形のコミュニーション」について紹介する。

単に「叱る」「叱られる」の関係だけではなく、広く人と人とのコミュニケーションにとって大切なことは何かを問う一冊である。

内容説明

学校、部活、職場、家庭…あらゆる場所で行われてきた「叱る」という行為。しかし著者は、脳・神経科学などの知見から、叱ることには「効果がない」と語る。ではなぜ、叱ることはなくならないのか?各界の識者と著者が議論した先に見えてきたのは、「叱れば人は育つ」という“幻想”に振り回される人々の姿だった―。「叱る」という行為のあり方を、問い直す一冊。

目次

第1章 「叱る」ことへの幻想(叱らずにはいられない大人と叱られつづける子ども;ニューロダイバーシティとの出会い ほか)
第2章 教育現場に潜む「叱る」への過信―工藤勇一×村中直人(子どもの主体的、自律的なやる気を引き出す教育;「最上位目的」は何か ほか)
第3章 「叱る」と「フィードバック」の違いとは?―中原淳×村中直人(「叱る」ことの快感、中毒性;誰でも「叱る」ループにハマる可能性はある ほか)
第4章 「理不尽な叱責に耐える指導」に潜む罠―大山加奈×村中直人(スポーツに必要な「厳しさ」とは何なのか;怒る指導の弊害 ほか)
第5章 僕が「『叱る』をやめる」と決めた理由―佐渡島庸平×村中直人(「『叱る』をやめる」と決めた理由;「成長につながる我慢」と「ストレスになるだけの我慢」 ほか)

著者等紹介

村中直人[ムラナカナオト]
1977年、大阪生まれ。臨床心理士・公認心理師。一般社団法人子ども・青少年育成支援協会代表理事。Neurodiversity at Work株式会社代表取締役。公的機関での心理相談員やスクールカウンセラーなど主に教育分野での勤務ののち、子どもたちが学び方を学ぶための学習支援事業「あすはな先生」の立ち上げと運営に携わり、発達障害、聴覚障害、不登校など特別なニーズのある子どもたちと保護者の支援を行う。現在は人の神経学的な多様性(ニューロダイバーシティ)に着目し、脳・神経由来の異文化相互理解の促進、および働き方、学び方の多様性が尊重される社会の実現を目指して活動。「発達障害サポーター’sスクール」での支援者育成に力を入れているほか、企業向けに日本型ニューロダイバーシティの実践サポートを積極的に行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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hiace9000

108
「叱る」or「叱らない」シリーズ、鋭意勉強中。著者はスクールカウンセラー経験もある臨床心理士。4人の著名識者との対談形式で綴る、大きな学びを実感できる一書。誰もが陥る危険もある「『叱る』依存」。加えて日本に根強く残り続ける、苦しむからこそ成長できるという「苦痛神話」や、修羅場が自分を変えてくれたとする「修羅場イリュージョン」。脱イリュージョン的社会通念のためにも、まずは大人が!と決意。昔は「怒るはNGだが叱るは○」だったものが、今や「不機嫌は罪、怒るなどもっての他。叱ることに正当性などなし」の時代である。2024/10/31

たまきら

36
私もタイトルには賛成です。対談も素敵なエピソードがたくさんあります。そうーおおまかな部分には大賛成なんですが、では「叱る」の定義はなんなのか。具体的にはどのように「指導」すべきなのか。そういう疑問にはふんわりとしか答えしか提供されていないのがちょっと寂しいです。もちろん一人として同じ人がいない中、マニュアル化が難しいのも確かなんですが…実践編が今すぐ知りたいと思ってしまう自分なのでした。2025/02/09

kan

31
The great teacher inspires.という有名な言葉がある。まさに著者の言う「冒険モード」に至るように手助けできる指導者のことだろう。そこに誘導するためには、「前さばき」、つまり指導者側の見通す力が必要だ。勤務校の文化祭を前に、クラスの生徒の様子にヤキモキし、うるさく言ってしまわないよう戒めのために毎朝読みながら通勤した。叱る行為は処罰感情を満たし自分が気持ちよくなるだけの依存状態であること、叱られる側はfight or flight状態だから染み込まないことなど心当たりがありすぎた。2024/09/06

k sato

30
「叱る」は処罰欲求を満たす依存行為である。処罰感情を正当化するために叱ることを止められない。その心理と脱却方法を著者と4名の識者が語り合う。バレーボール元日本代表の大山加奈氏が語るスポーツ界に蔓延る苦痛神話。辛い思いをしなければ強くなれないという思い込みが、叱られることを受容してしまう。成長に繋がる我慢とストレスになる我慢。社会通念を変えなければ「叱る」依存からの脱却は困難である。「叱る」行為は、相手のためではなく「叱る」側の保身のためという真実。「叱る」側が気づかなければ「叱る」行為はなくならない。2024/09/07

ta_chanko

27
「叱る」ことは相手の闘争or逃走反応を引き出す行為。一時的に効果があったように感じてられても、根本的な解決にはならない。相手が自発的に問題を解決できるように導くことが、広義の「叱る」行為。また、相手を罰することが快感になってしまい、ますます「叱る」ことがやめられなくなる(叱る依存)。重要なことは、「前さばき」によって問題が起こる前に対処すること。問題が起きたら、当事者自身が自発的に解決できるように導くこと。スポーツ指導の場合も同様。結果至上主義におちいって選手を潰してはならない。2024/09/18

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