出版社内容情報
トランプ以前と以後で、アメリカの現代思想のルールがまったく変わってしまった。トランプ以後、たえず抑圧されてきたホンネの欲望が噴出するようになったのである。いわゆるPC:ポリティカル・コレクトネス(政治的に正しく、差別的ではないこと)に対する反感だ。今までアメリカの現代思想と言えば、言ってみればPCのコードにしっかりと守られたいわばタテマエの思想だった。それを「リベラル・デモクラシー」派と呼ぶならば、今までのほとんどの思想が、この中に入ってしまう。
そこで本書では、長くアメリカの主流であったリベラル・デモクラシーの思想を1970年代にさかのぼって追究し、そこから今日まで何が起こっているのかを確認する。リベラリズムのロールズ、共同体主義のサンデル、ネオ・プラグマティズムのローティ、民主主義に反対する「新官房学」、「ポスト資本主義」の一種といえる「加速主義」……。社会の動向を反映してダイナミックに変容していくアメリカ現代思想を平易に解説する。
目次
トランプ以降、思想のルールが変わった!
第1部 リベラルとその周辺(リベラリズムとリバタリアニズム;コミュニタリアニズムという亡霊;プラグマティズムに回帰するアメリカ)
第2部 デモクラシーとその彼方(「歴史の終わり」から、何が始まったか?;リバタリアニズムから新反動主義へ;リベラル・デモクラシーは社会主義で乗りこえられるか?)
著者等紹介
岡本裕一朗[オカモトユウイチロウ]
玉川大学文学部名誉教授。1954年福岡県生まれ。九州大学大学院文学研究科哲学・倫理学専攻修了。博士(文学)。九州大学助手、玉川大学文学部教授を経て、2019年より現職。専門は西洋近現代哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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