出版社内容情報
松陰が教える本物の『孫子』。松下村塾での幻の授業がよみがえる。
吉田松陰は長州藩の兵学師範であり、『孫子』は座右の書であった。その松陰が最晩年に松下村塾で講義し、遺したのが『孫子評註』である。
この書は、松陰が、江戸期の『孫子』研究を集大成しつつ、欧米列強が迫る時勢もふまえて読み解いたものであり、まさに、生涯を賭けて到達した「本当の主著」といえる。高杉晋作、久坂玄瑞ら松下村塾の教え子たちの維新戦略の淵源も、この『孫子評註』にあった。
実は、『孫子』の思想の意味するところは、具体例に当てはめて考えなければ腑に落ちないことも多い。だが、事例の選択を誤れば、まったく見当違いの話にもなりかねかねない。その点、吉田松陰が真摯に取り組んだ解釈を一つの手がかりとすることで、『孫子』を一段深く理解することができるようになるのである。
日本周辺の安全保障の危機がかつてないほどに高まる今、改めて手に取り、学びたい、日本人のための『孫子』研究の決定版。
森田 吉彦[モリタ ヨシヒコ]
著・文・その他
内容説明
兵学者・吉田松陰の真髄、ここに極まる!そもそも松陰は長州藩の兵学師範であり、『孫子』は座右の書であった。その松陰が晩年に松下村塾で講義し、遺したのが『孫子評註』である。この書は、江戸期の『孫子』研究を集大成しつつ、欧米列強が迫る時勢もふまえて読み解いたものであり、まさに、松陰が生涯を懸けた本当の主著といえる。高杉晋作、久坂玄瑞ら松下村塾の教え子たちの維新戦略の淵源も、この『孫子評註』にあった。日本周辺の安全保障の危機がかつてないほどに高まる今、改めて手に取り、学びたい、日本人のための『孫子』研究の決定版。
目次
巻首 『孫子』の読み方、『孫子』の構造
始計第一 戦略情報分析と「千変万化極まりない」戦い
作戦第二 経済的側面の把握から長期持久戦へ
謀攻第三 「最上の戦い方は敵の謀を討つこと」
軍形第四 不敗の態勢をとり、勝機を待つ
兵勢第五 勢はつくりだすもの
虚実第六 「敵の実を避けて虚を撃つ」
軍争第七 「後に出発して、先に到着する」
九変第八 「利と害の両面を考える」
行軍第九 敵情観察と味方の掌握
地形第十 「彼を知り己を知れば、勝ちすなわち危うからず」
九地第十一 「死地に陥ればかえって生き延びる」
火攻第十二 何を「慎み」「戒める」のか
用間第十三 上智を半間(二重スパイ)にする
跋 再跋 他日あるいは一同に集える日があれば
補章 孫子の兵法と日中の政戦略
著者等紹介
森田吉彦[モリタヨシヒコ]
1973年、神戸市生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。京都大学博士(人間・環境学)。国際史、国際政治学、日本思想専攻。現在、大阪観光大学国際交流学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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