出版社内容情報
朝廷の理不尽に耐えかね、古代東北の英雄アテルイの血をひく若者が決起する。著者が東北への熱い思いを込めた7年ぶりの本格歴史長編。
高橋克彦[タカハシカツヒコ]
作家
内容説明
東北人の荒ぶる魂、ここにあり。中央政権の容赦ない仕打ち。窮する民を見かねて、東北の英雄・アテルイの血をひく若者が決起する。朝廷を相手に熱き闘いを繰り広げる蝦夷たちを描く歴史長編。東北の大河小説ついに完成!
著者等紹介
高橋克彦[タカハシカツヒコ]
1947年、岩手県生まれ。早稲田大学卒。83年、『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞、86年、『総門谷』で吉川英治文学新人賞、87年、『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、92年、『緋い記憶』で直木賞を受賞。『火怨』で吉川英治文学賞受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
142
高橋克彦は、新作中心に読んでいる作家です。但し、東北の大河小説シリーズは初読です。歴史的な背景はある程度理解できますが、あまりイマジネーションがわきませんでした。やっぱりシリーズ全作を読まないとダメかなぁ?2017/05/11
初美マリン
118
久しぶりの高橋作品、すごく格好いいです、誠を貫けば自ずと皆ついてくる、弱い立場の蝦夷の為に立ち上がった人々、ワクワクした2020/02/19
ゆみねこ
63
高橋克彦さん、初読み。阿弖流為の血をひく天日子をリーダーに朝廷と戦う。よき軍師を得てどういう風に大暴れするのかと思いましたが、その割にあっさりとしていました。水壁の舞台は、この夏訪問の予定あり。ちょっと楽しみですね~。2017/07/13
ポチ
62
阿弖流為の死後75年、その血を引く者が頭となり蝦夷の為に立ち上がる。戦闘よりも駆引きに重点を置いて、心理戦の様相を強く感じた。「火怨」とは迫力がかなり違うが、これはこれで良かったです。2017/07/22
kawa
56
著者の古代東北蝦夷シリーズの3作目(時系列順)。前作「火怨」で描かれた阿弖流爲(あてるい)の時代から75年後の出羽(秋田)、阿弖流爲から数えて4代目にあたる天日子(あまひこ/架空の人物と思われる)、彼を主人公に据えて「人は時代で変わるのではない、自分が時代を変えるのだ」と、大飢饉でひん死の蝦夷の人々を救うために立ち上がる、元慶(げんぎょう)の乱を描く。このシリーズには珍しの単行本1冊読み切りの短さながら、登場する人物も多彩で、乱の様子が濃密に描かれ満足、楽しめた。2020/07/28