出版社内容情報
簡単に人と付き合うけれど「好きなひとができた」とすぐに別れる男。彼を巡る人々の心情からその真実の姿を浮かび上がらせる長編小説。
加藤元[カトウゲン]
作家
内容説明
次から次へと女性とつきあい、すぐに「好きなひとができた」と言って、別れを告げる男。彼のその行動は、周囲の人々、そして彼自身の運命を歪ませていく…。周囲の人々の証言から、浮き彫りになる男の正体とは!?思わぬ結末が胸を打つ!衝撃と慟哭のミステリー。
著者等紹介
加藤元[カトウゲン]
1973年、神奈川県生まれ。日本大学芸術学部中退。2009年、『山姫抄』(講談社文庫)で第4回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。2012年、『泣きながら、呼んだ人』が盛岡のさわや書店が主催する「さわベス」文芸部門第一位を獲得する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
100
タイトルに騙される。愛するが故に束縛しようとするとスルリと去る男はどこかにいるよね・・男と女の関わり合いは難しいのが現実。この連作短編はその各章のタイトルでざわざわする。最終話で「好きって言葉は、使う人のよって意味が全部違う」いやいや、それは免罪符になりませんから~この男・神崎登吾にも、取り巻く女や男友達(友達と言えるのだろうか・・)誰にも共感出来ないまま読み終えてしまった。母親が息子に及ぼす影響は大きい。我が息子に女の影が見えないのは私が原因なのか?なんて思ったりもした(脱線してるな・・汗)2016/11/18
やも
80
「好きなひとができました」を言って女の元を去っていく男・神崎登吾。彼を取り巻く人達のドロドロホラーな連作短編5話。【口裂け女】私綺麗?ってナチュラルに思い込んでる自己愛性強い女【のっぺらぼう】相手の表情から分かる気持ちをガン無視、自分の話したいように話す女【かまいたち】好きだ、だからどこまでも許せ。と虐めた男【子泣き爺】過去って子泣き爺みたいに貼り付いてて重い【送り狼】「助けたい、守りたいと相手に思わせるのは悪。他人の人生を支配している」▶好意は妖怪、なるほどね。登吾自身は出てこないのが面白かった★3.52022/10/30
itoko♪
74
「好きな人ができた」と、次々と女性との付き合いを繰り返す、感情の読めないどこか謎めいた男。諦めきれない一人の女は、男の過去を探ろうとするが…。決して報われない歪んだ愛の形は、どう終止符を打つことになるのだろうか。後味は決して良くはないけれど、全ての謎と疑問が解消するラストは好み。カトゲンさんは数作読んでますが、こんな作品も書かれるんですね〜ドラマになりそうな作品でした。2016/11/24
chiru
70
すぐ恋に落ち、すぐに『好きなひとができた』と言って別れを繰り返す退廃的な神埼。そのふられた恋人たちによって、神埼のルーツが明らかに。子供時代の神埼にとっての『好き』の意味は、帯のとおり衝撃かもしれません。印象に残るのは『好きだという感情はなぜ生まれるんだろう…なぜすぐ他の人を好きになれないんだろう』というセリフ。だからといって神埼のようにはなりたくない。好きって本当に不思議な言葉だと思いました。★22018/01/17
papako
69
『好きな人ができた』と言って別れる神崎登吾をめぐる連作短編集。なんかすごく考えさせられました。面白かった。『好き』だから、好意だからは、暴力になりかねない。好きになったら、相手に何をやっても何を期待しても、何を求めてもいいと思いがち。神崎登吾だけでなく、登場人物それぞれゆがんだ部分があり、不気味。「かまいたち」の章が一番不気味かな。ラストの可南子さんは草柳さんでいいのかしら。2020/05/09
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- 和書
- 夜がうたた寝してる間に