出版社内容情報
いよいよ崩壊局面に差し掛かった中国経済。中国発の世界恐慌は起きるのか? 日本への影響は? 気鋭のエコノミストが大胆に未来を読む。
【著者紹介】
丸三証券経済調査部長
内容説明
効かない景気対策、積み上がる不良債権、人民元国際化の矛盾…何が起きている?これからどうなる?新興国ブームの終焉を予言したエコノミストが冷徹に読み解く。
目次
第1章 「バブルリレー」のバトンは中国が握っている?
第2章 中国経済ハードランディング論の真実
第3章 崩壊サイクルに入った人民元の固定相場制
第4章 中国人の経済思想から未来を読み解く
第5章 これから十年、中国経済・三つのシナリオ
終章 AIIBから日本への影響まで―残された論点
著者等紹介
安達誠司[アダチセイジ]
1965年生まれ。東京大学経済学部卒業。大和総研経済調査部、クレディ・スイスファーストボストン証券会社経済調査部、ドイツ証券経済調査部シニアエコノミストなどを経て、現在、丸三証券経済調査部長。『脱デフレの歴史分析』(藤原書店)で第1回河上肇賞、『恐慌脱出』(東洋経済新報社)で第1回政策分析ネットワーク賞(シンクタンク賞)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
56
経済関連の分析を行うエコノミストが、中国の経済の今後をデータを基に分析した一冊。私見だが中国の経済予測を行うのは非常に難しいと思う。その理由としては経済だけではなく、政治的リスクを織り込まなければならない所。少し前の本なので現在の眼から見ると、事態は著者の想定していたより悪くなっていると思う。ただそれは著者の責任ではなく、コロナの流行とゼロコロナ政策が重なった故。誰も予測できないだろ、流行病とか。とあれ予測は兎も角、バブル崩壊の概念だとか経済学のデータの見方とか、その他でも楽しめる部分が多い本でした。2024/12/04
ケイ
12
中国はこれから「中所得国の罠」にハマるだろうなと感じました。アメリカを追い抜く日は永久に来ずに、国内の暴動を抑えつけるのに尽力する日々になるかと。2016/04/08
ドナルド@灯れ松明の火
9
PHPに応募したら当選した。書き方が生ぬるい。誰に遠慮しているのだか歯切れが悪い。内容もそこそこで当たり障りない。日米などが、元引き下げ(ドルペッグの廃止)せざるを得なくすれば中国経済は急速に悪化するのは目に見えている。経済が悪化して国内を制御できなくなって海外に武力を使って進出するのを防ぐために、日米は手を出さずに放置しているのだろうか。ま、遅かれ早かれ自滅していくのは自明の理なんだけどな。2016/09/01
sakadonohito
6
中国経済が今後どうなっていくのかを独自の視点で書いたもの。諸外国の投資家が仕掛ける人民元安圧力を起点にスタグフレーションが起こる可能性を書いている。現在はコロナ禍の影響もあってスタグフレーション発生が現実味を帯びている。著者は可能性が低いと予想していたが、経済不振と政治不信をごまかすための対外強行政策路線(香港、台湾、南シナ海、東シナ海など)に傾いてきているように思える。2021/06/14
しろくまZ
5
エコノミストがマクロ経済指標や歴史的事実などの分析から、今後の中国経済について3つのベースラインシナリオを提示している。中国当局が人民元に対して変動相場制を採用できるかどうか、が鍵となりそう。読み進めていると、推理小説を読んでいるかのように感じた。非常に面白かった。この著者による他の著作も読んでみたい。2016/05/19