出版社内容情報
「遣唐使の時代、日中は非常に疎遠」「日本の漢語化と中国の日本化」……。専門家の真摯な研究に基づく、新たな日中関係史の構築。
【著者紹介】
京都府立大学准教授
内容説明
日中関係は、古来ほぼ疎遠であった。経済的な交流は盛んでも、相互理解は進まなかった。遣唐史とは、少なくとも中国の側からすれば「敗戦国」からの朝貢使節に過ぎず、この時代、日本は東アジアから隔絶していた。中国からの影響も、きわめて選択的な受容にとどまっている。元寇以降、中国北方とは政治軍事中心の、南方とは経済・文化中心の関係となった。その後、日本は寺子屋で漢文を庶民に教えるなど「漢語化」するが、中国文化を全面的に信頼することはなく、中国も日本から学んだ時期があったが、その理解は表面的なものだった。気鋭の歴史学者が描く、新たな日中関係史。
目次
1 黎明―「日出づる処」と「日没する処」(隋唐以前;遣唐使の時代―孤立する日本 ほか)
2 深化と矛盾―「倭寇」と明朝(「一四世紀の危機」から「朝貢一元体制」へ;東アジア秩序の再編 ほか)
3 平和と疎遠―清朝と「鎖国」(日中政権の変容;清朝・朝鮮の関係と日本 ほか)
4 世界秩序の転回―一九世紀(近代前夜の風景;「西洋の衝撃」を受けて ほか)
5 険しい時代―二〇世紀前半(従属してゆく中国;善隣の時代 ほか)
著者等紹介
岡本隆司[オカモトタカシ]
1965年生まれ。京都府立大学大学部准教授。専門は近代中国史、東アジア国際関係史。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学、博士(文学)。宮崎大学講師・助教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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