出版社内容情報
日本海軍において常に組織内の頭痛の種であった「機関科将校の差別問題」。海軍関係者も書ききれなかったテーマを徹底研究。
【著者紹介】
日本海軍史研究家
内容説明
「これを知らずして海軍を語ってはいけない」ついに一冊にまとめられた“機関科問題”の全貌!「海軍のガン」と呼ばれた組織内差別問題を長年の研究から説き明かす。
目次
第1章 明治大正期の機関科将校問題(機関学校の発祥、発展のそもそも;機関学校の閉校、そして再開校;米アナポリス兵学校の兵・機一系教育 ほか)
第2章 昭和戦前期の機関科将校問題(機関科将官に海上の要職少なし;参謀長会議での諮問、そして答申;柳本柳作中佐―海軍制度調査会委員に ほか)
第3章 昭和戦中期―“機関科問題”解決(「兵・機一系制度」成る;新「軍令承行令」制定さる;エンジニアから「司令官」誕生 ほか)
著者等紹介
雨倉孝之[アメクラコウジ]
昭和3年、東京生まれ。昭和20年4月、高等商船学校東京分校(機関科)に入校、あわせて海軍機関術予備練習を命じられる。終戦により同年8月に退校、予備練習生も罷免。東京理科大学卒業後、昭和59年まで日本国有鉄道に勤務。かねてより海軍史・海事史の調査にたずさわり、特に海軍制度史に詳しい(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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蟹
2
いわゆる機関科将校に対する差別問題を軸に、機関科将校の人事教育制度を分かりやすく解説している。その立場は決して機関科将校に対して同情的なだけではなくて、兵科将校との対立にうつつを抜かし、エンジニアとしての自己研鑽を怠る一部機関科将校への批判も取り上げられている。兵・機一系化は戦時中にようやく達成され、戦後の海自も概ねそのような方針にあるわけだが、それが専門性を損なう一面もあるように思われる。日本海軍の人事教育制度に関しては様々な批判があるが、中には相矛盾するものもあり、制度設計の難しさを感じる。2016/05/06
ごいんきょ
0
皆さんは士官と将校の違いを知っていますか? 指揮命令系統や待遇で大きな違いがあるのです。 職務上の権限の差は有って然りですが、それが待遇や差別に繋がるとなるとそれはいただけません。 そんな差別撤回への長い道のりが述べられています。2016/01/02
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