出版社内容情報
「終戦の詔勅」の中に碩学・安岡正篤が込めた将来の日本に対する切なる想いとは? 本人の肉声を聴きつつ、心に刻む。
内容説明
戦後日本人の精神の拠り所を示すために、安岡正篤が詔書に刻み込んだ「二つの言葉」とは。「昭和天皇の玉音放送」と、「安岡正篤が終戦の詔勅について語った講話」を収録したCD付き。
目次
1 安岡正篤先生の横顔と、終戦のころの活動の様子
2 日本農士学校に送った書簡
3 終戦の詔書(御署名原本)
4 安岡正篤、終戦の詔勅についての講話―昭和三十七年一月十七日郵政省会議室にて
5 「終戦の詔書」成立の舞台裏―安岡正篤の寄与を焦点に
6 父・安岡正篤の無念
7 終戦と安岡先生
8 資料編
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆうきなかもと
8
「感激と奮発、これこそ人間の最も霊活な力である。然しながら、その発憤は必ず深い反省と相待たねばならぬ。反省なき憤発は一場の客気に止まり、憤発なき反省は要するに愚痴と悔恨とに堕し、共に論ずるに足らぬ。」安岡正篤が戦後すぐに暴発しようとする若者に託した文書の出だしである。この部分こそ、安岡の思想のエッセンスが込められていると思う。昭和思想史の研究者たちは、北一輝や大川周明などと比べて安岡を軽量級の思想家と扱うことが多いが、敗戦前後という大変な時期に果たした彼の役割は決して軽量に扱うことのできないものだと思う。2015/09/28
軍縮地球市民shinshin
6
終戦の詔勅を、安岡正篤が手を加えたことは知っていたが、詳しくは知らなかったので本書は勉強になった。安岡は「義命ノ存スル所」と改めたのだが、何者かが閣議に提出した際には「時運ノ命スル所」と改竄されて、それが閣議決定してしまったらしい。「義命」とは、『春秋左氏伝』の中の文章で、「大国が信を以て義を行い、義を以て命を下されるならば、小国は安心して大国のなす秩序に服するであろう」という意味らしい。意味が分からないという理由で「時運…」に改竄された。日本が連合国の信義を信頼して降伏するという意味がなくなってしまった2015/08/18
cocolate
0
『義命』 読めない感じが続出してつらかったが、読んでよかった。 CD付。講話を聴くことができた。2016/01/19