「吉田調書」を読み解く―朝日誤報事件と現場の真実

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「吉田調書」を読み解く―朝日誤報事件と現場の真実

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  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784569823492
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0030

出版社内容情報

福島第一原発の吉田昌郎所長が、「政府事故調」の聴取に答えた記録「吉田調書」。それを独占入手した朝日新聞が、「所長命令に違反、所員の9割が撤退」と大々的に報じたのは、2014年5月20日のこと。だが、それはあまりにおかしな記事だった。吉田氏本人や現場の人々に取材して『死の淵を見た男』を上梓した著者は、「誤報だ」と声を上げる。すると朝日新聞は「法的措置を検討する」と抗議。以後、両者の闘いは続いてきた。

 しかし8月、各紙が「吉田調書」を入手して「命令違反なし」と報道。さらに9月11日に政府が「吉田調書」全文を公開するにおよび、遂に朝日新聞は社長の謝罪会見と、編集幹部の退陣に追い込まれたのであった。

 本書では、誤報事件の核心に何があったのかを当事者である著者自身が徹底追及。さらに、膨大かつ専門的な「吉田調書」の重要部分を読み解き、「全員撤退問題」から「官邸・東電本店と現場の対決」「津波対策」まで、真実をすべて解き明かす!

 第一章:朝日新聞の「吉田調書」報道
 第二章:謝罪会見
 第三章:全電源喪失
 第四章:ベントの死闘
 第五章:海水注入をめぐる攻防
 第六章:部下たちへの感動
 第七章:“東日本壊滅”の真実
 第八章:「全員撤退」問題の決着
 第九章:現場は何と闘ったのか
 第十章:津波対策と新聞報道
 第十一章:吉田調書が残した教訓

内容説明

所長命令に違反、所員の9割徹退!?木村伊量・朝日新聞社長は、なぜ謝罪会見に追い込まれたのか?吉田昌郎氏と現場の人々を取材した著者が吉田調書の「真実」を明かす!

目次

朝日新聞の「吉田調書」報道
謝罪会見
全電源喪失
ベントの死闘
海水注入をめぐる攻防
部下たちへの感動
“東日本壊滅”の真実
「全員徹退」問題の決着
現場は何と闘ったのか
津波対策と新聞報道
吉田調書が残した教訓

著者等紹介

門田隆将[カドタリュウショウ]
1958(昭和33)年、高知県生まれ。中央大学法学部卒。雑誌メディアを中心に、政治、経済、司法、事件、歴史、スポーツなどの幅広いジャンルで活躍している。『この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社、角川文庫)で、第19回山本七平賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤

59
『死の淵を見た男』に引き続き読んでみた。本著は、朝日新聞によってねじ曲げられた政府事故調の「吉田調書」の真実を記すものであり、その時々の吉田さんや現場の人びとの思いを伝えるものである。驚くことに、朝日新聞は現場の取材を1人もせずに事実とは違う歪んだ記事を出していた。のちに謝罪会見を行い、編集幹部の総退陣という更迭人事を行うことで一応の決着を見る。吉田さんをはじめ現場の人たちが最悪の事態を必死で防いでくれたことへの名誉が回復できて安堵したとともに、報道のあるべき姿を考えさせられた。2019/10/28

あっ!chan

32
この作品を読んで、全く同じ事を言っていた地方新聞社の記者をやっている友人を思い出す。「死の淵を見た男」を読んで強く感じたのは、最悪の事態から日本を救ってくれたのは「死」と向かい合って闘った現場の人だということ。それから二年半…やっぱり当時の政府と東電とそして今回は朝日新聞には怒りと怖さが、吉田所長と共に闘った現場の人達には感謝と涙無くして読めなかった。最近読んだ本でも「日本は現場の国」という言葉が心に残ったが、現場を預かる立場の一人として、吉田所長達がとった行動と「本義」を忘れてはならないと心に誓う。2015/08/11

壱萬参仟縁

29
650人所員の防護マスクなし(21頁)。普段から非常時に対する訓練があったか否か? 退避の手順(40頁~)。 吉田氏は一緒に死んでもらう人間以外は、退避してもらうことを決断していた(63頁)。日本の運命は、現場で闘う人間を弄ぶかのように揺れ動いていた。現場の人間の命が生と死の狭間を行き交っていた という意味(184頁)。足を引っ張る官邸と本店(223頁~)。吉田所長を信頼してやれなかったのか。彼は津波対策は 積極的であった(232頁)。本義:人が存在するための本来の意義や価値(278頁)。 2015/04/02

緋莢

21
「所長命令に違反 原発撤退」2014年5月20日。朝日新聞朝刊の1面で大きく報じられたニュース。政府事故調査・検証委員会の「吉田調書」を 独自に入手したという朝日新聞のスクープだったが、後に“誤報”と判明 社長が謝罪会見を行う事態となった。早くから、朝日新聞の報道に異を唱えていた著者が、朝日新聞の問題、そして、公開された吉田調書を読み解き、当時の状況を考察する。2015/09/07

かんちゃん

20
某新聞社の十八番、恣意的報道。反権力の標語に自己陶酔し、二元論的に善悪を断じる戦後ジャーナリズムの悪弊。某新聞社は一応は謝罪という形を取ったものの、あえて虚報とは認めず、担当者の勇み足とチェックミスによる誤報とした。高額給与と天文学的退職金を保証されたままでの幹部辞任劇により幕引きを図った。後日の紙面に掲載された再発防止の論説もどこか他人事で空々しい。某新聞社は、国家の一大事において自己保身と責任逃れに終始した官邸や東電本店と、何ら変わりはない。ジャーナリズムを監視できるのは国民世論しかない。2014/11/30

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