出版社内容情報
中国人は生きづらい。その反面、彼らは人生を愉しむ達人でもある――。中国人のタフさや洗練された享楽主義の根源を歴史的に辿る。
【著者紹介】
東京大学東洋文化研究所教授
内容説明
中国の人々は総じて元気があり、暗い印象を与える人は少ない。そのメンタリティーの源流はどこにあるのか?中国は決して生きやすい社会ではない。庶民は地方官の苛烈な徴税とでたらめな裁判に苦しみ、官僚だって一歩間違えれば悲惨な刑罰を受ける。さらに官僚になるのも一苦労、「科挙」では八股文という超絶技巧が求められる。一方で中国人は人生に愉しみを見出す達人でもある。最高の娯楽になりえる漢詩に耽溺し、美食や美女を優雅に愛で、静寂が支配する「庭園」に佇む。中国は伝統的に、生きるしんどさと遊びの哲学が同居する国なのである。
目次
官は「徴税と裁判」で民を苦しめる
官僚残酷物語
科挙はどれほど辛かったのか
生きていくための制度―宗族
ストレスの文学 不平の文学
中国人の遊びの哲学―悲観から楽観へ
漢詩はなぜ最高の娯楽になりうるのか
遊びの教科書
玩物の世界
美食の追求
美人論
庭園の精神
著者等紹介
大木康[オオキヤスシ]
東京大学東洋文化研究所教授。1959年横浜生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程(中国語中国文学専門課程)単位取得退学。博士(文学)。東京大学東洋文化研究所助手、広島大学文学部助教授、東京大学東洋文化研究所助教授を経て現職。2012年4月から14年7月まで、同東洋文化研究所所長。専門は中国明清時代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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