PHP新書<br> 中国人はつらいよ その悲惨と悦楽―伝統から彼らの実像を知る

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中国人はつらいよ その悲惨と悦楽―伝統から彼らの実像を知る

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  • サイズ 新書判/ページ数 261p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569823461
  • NDC分類 222
  • Cコード C0222

出版社内容情報

中国人は生きづらい。その反面、彼らは人生を愉しむ達人でもある――。中国人のタフさや洗練された享楽主義の根源を歴史的に辿る。

【著者紹介】
東京大学東洋文化研究所教授

内容説明

中国の人々は総じて元気があり、暗い印象を与える人は少ない。そのメンタリティーの源流はどこにあるのか?中国は決して生きやすい社会ではない。庶民は地方官の苛烈な徴税とでたらめな裁判に苦しみ、官僚だって一歩間違えれば悲惨な刑罰を受ける。さらに官僚になるのも一苦労、「科挙」では八股文という超絶技巧が求められる。一方で中国人は人生に愉しみを見出す達人でもある。最高の娯楽になりえる漢詩に耽溺し、美食や美女を優雅に愛で、静寂が支配する「庭園」に佇む。中国は伝統的に、生きるしんどさと遊びの哲学が同居する国なのである。

目次

官は「徴税と裁判」で民を苦しめる
官僚残酷物語
科挙はどれほど辛かったのか
生きていくための制度―宗族
ストレスの文学 不平の文学
中国人の遊びの哲学―悲観から楽観へ
漢詩はなぜ最高の娯楽になりうるのか
遊びの教科書
玩物の世界
美食の追求
美人論
庭園の精神

著者等紹介

大木康[オオキヤスシ]
東京大学東洋文化研究所教授。1959年横浜生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程(中国語中国文学専門課程)単位取得退学。博士(文学)。東京大学東洋文化研究所助手、広島大学文学部助教授、東京大学東洋文化研究所助教授を経て現職。2012年4月から14年7月まで、同東洋文化研究所所長。専門は中国明清時代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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mit

8
著者の専門は中国明清時代文学。かつての中国の官吏、文人達の政界での苦しみや隠遁の楽しみについて、文献により紹介している。漢詩については著者自らが作詩を試み、平仄を合わせ、最後に先生から添削を受ける過程が面白い。科挙については具体的な殿試の答案例や、小説内の科挙を模した八股文が紹介され興味深い。その他、地方官吏の不正や官僚の不平文学、それから蒐集、書、茶、食、美人、庭園などの楽しみが紹介されている。中国古典の理解には役立つ悪くない内容だが、本書のタイトルは、現代中国に関する話題を想像させ、内容にそぐわない。2015/10/05

中島直人

2
(図書館)読了2024/01/28

石光 真

1
中国人は今でも他人は人間じゃないし、昔は科挙がつらかったけど、みんなへこたれていない。開き直って人生を楽しんでるからじゃないか。ということで、文人趣味の悦楽がどっさり紹介されていて、いやあ楽しい。酔古堂剣掃出てきてほしかった。。2016/11/19

もりやまたけよし

1
タイトルにひかれて、中国人の国民性に触れたものかと思って手に取った。東大の先生の中国古典文学に見る昔の中国人のいきざまが、本当のところだった。最近タイトルとは違った内容の本によく遭遇する。出版社も、もう少し真面目にタイトルをつけてくださいね!2015/05/11

kaboking

1
中国人の両極への振り幅の広さの理由の一端が分かって来たような気がした。民の幸福を考えない中国社会は厳しく生きづらい、そういう社会構造の世界に楽しく生きて行くにはどうしたら良いか?趣味にのめり込む人々の姿は、まるで現代人の様でもある。本書では主に明末清初の文人の文章から事例を紹介している。今に至る中国人のメンタリティーの一端が少しだけ見えたかな。2015/03/18

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