出版社内容情報
アキバから、宇宙へ――。宇宙へ行くことに憧れ、アイドルでの成功をステップに、新型宇宙船の開発にチャレンジする結城ぴあのの物語。
【著者紹介】
作家
内容説明
「私、突然変異体なんです」人気アイドル・グループのメンバーである結城ぴあのには、もう一つの顔がある。秋葉原電気街の“お姫様”。電子部品を買い漁る彼女は、自宅のガレージで一人実験を繰り返す。その目的は、「宇宙へ行くこと」であった…。
著者等紹介
山本弘[ヤマモトヒロシ]
作家。日本SF作家クラブ会員。日本推理作家協会会員。1956年京都府生まれ。78年「スタンピート!」で第1回奇想天外SF新人賞佳作に入選。87年ゲーム創作集団「グループSNE」に参加。作家、ゲームデザイナーとしてデビュー。2003年発表の『神は沈黙せず』が第25回日本SF大賞候補に。06年の『アイの物語』は第28回吉川英治文学新人賞ほか複数の賞の候補に挙がるほか、10年の『去年はいい年になるだろう』で第42回星雲賞(日本長編部門)を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BlueBerry
67
なんか色々凄いんですけど、なんか一歩引いている自分がいて、そこそこ引き込まれるのだけれど常に冷静に読みました。数学とか物理に付いて本当に詳しい人ならもうちょっと別の楽しみ方が出来るのだと思います。私は理論的な部分になるとザックリ読んでしまったのでその辺りの楽しみは無いですね。科学的な部分は別として大まかなストーリーの流れに付いては概ね想定の範囲内。その辺りが今ひとつ弾けなかった理由じゃないかと思います。序盤○中盤○ラスト○総合○2014/12/07
オフィーリア
57
どうしようもなく宇宙に恋をした天才と、その天才に惹かれ支える人間の物語。太陽系の外側へ、ただその目的の為だけに天才はトップアイドルに上り詰めるし物理法則だって突破する。その先に別れが待っていようとも、ひたすら目的の為だけに駆け抜けた最高の旅路でした。2024/04/13
翔亀
56
天才AKIBA系アイドルが革命的物理理論によりロケットを開発し太陽系外宇宙へ飛び立つ、という使い古されたネタ。これをどうヒネるかと思ったら、臆面もなくストレートにそのまんまのストーリー。これでは毒にも薬にもならないはずだが、そこは山本弘のこと、かなり挑戦的なことをしている。まず、革命的物理理論が本格的。熱力学の第二法則を破る物理理論が延々と説明される。タキオン時空の双曲線でプランク定数がゼロになる(というが、全然わからんのでこれ以上はパス)。文系の私が吃驚したのは、ヒロインぴあのの人物造形が↓2015/01/17
巨峰
50
ボクが初めて彼女と出会った、2025年7月のあの日。彼女結城ぴあのは最後のアイドルで、秋葉原オタクで、超絶歌姫で、アインシュタインを超える物理学者だった。でも彼女の目的はたった一つ、太陽系を飛び出すこと。そんな彼女と男の娘である主人公を中心に変わり始める世界のクロニクル。日本のSFの決定的な傑作じゃないかと思いました。2025/01/04
papako
49
作者初読み。readerにて。面白かった!現在と地続きの近未来、宇宙に恋して宇宙に行った『ぴあの』の物語。メディアやアイドル論を絡めて、現在の技術の延長線上にあるかもしれない未来はなかなか興味深い。ただ、ヴォーカロイドってこの先どうなんだろう。今はリアルなAKBの強さが目立つけど。理系の知識があった方が楽しめるけど、なくても十分入り込める。『私嘘はつけません』最後まで見事な『恋』でした。2015/05/12