出版社内容情報
2000年、全島民が避難生活を余儀なくされた三宅島。島の高校の先生と生徒が、野球を支えに困難に立ち向かう姿を描いた真実の物語。
【著者紹介】
作家
内容説明
東日本大震災の11年前、災害で故郷を失いながらも、あきらめなかった監督と選手たちがいた。伊豆諸島・三宅島に、ただ1校だけある三宅高校の教師である山本政信は、部員数が少なく、大会出場すらままならない弱小野球部を率いていた。噴火により全島避難を余儀なくされ、島は無人島と化した。都会での避難生活を乗り越え、5年ぶりに島から夏の甲子園大会予選に挑む。島民の期待、選手たちの緊張も高まるなか、試合開始を告げるサイレンが高らかに鳴り響く―。名もなき監督と選手たちの戦いと帰島までをつづった感涙のノンフィクション。
目次
帰ってきた三宅高校ナイン
最後の百本ノック
井のなかの蛙なんかじゃない
一勝懸命
涙のロッカールーム
火山の麓のグラウンド
平成十二年七月十四日
高度一万七千メートルの再噴火
遠ざかる島
新居は廃校〔ほか〕
著者等紹介
平山讓[ヒラヤマユズル]
1968年東京都生まれ。ノンフィクションや実話を基にした物語を数多く手掛け、作品が映画化、ドラマ化される。文芸・小説誌、新聞、スポーツ誌での連載のほか、映画脚本、エッセイなど執筆は多岐に渡る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
33
三宅島の雄山噴火で全島避難となり、全面的に安全確保は出来ないながら自己責任という形で戻れたのが4年半!三宅高校教師で野球部監督だった政信の一人っ子だった娘は中学3年生から大学生になっていました。子供にとっての4年半は長いですね。中学・高校の運動部関係の部活は青春の大切な時間。思うように活動出来ない、試合に出てもコールドゲームとなるのは無念だったでしょう。政信先生がパワハラ教師でなかったのが救いです。2019/08/16
けんとまん1007
14
三宅島の大噴火。改めて、時の経過を実感。野球というか、スポーツの持つ、素晴らしい一面が描かれている。何のため、何を感じながら・・ここが、一番大切なことだと思う。一つのボールを、投げ、打ち、守り、走り、そして夢中になる。夢中になるということ、これを実感できる人が、どれだけ減ってきているのだろうかと考えた。そこに気づくのか気づかないのか。人は、故郷に育まれているのだということ、そして、試合というゲームは終わっても、生きるというゲームは終わらない。2015/10/11
まさよ
2
三宅島の噴火から、もう13年もたつんですね。本文中に津村春快君が書いた文章の中で、「大切なものをなくしても、人間は強く生きていけるのだ。」という一文は東日本大震災の方にも当てはまると思います。今、この本が出版される意義なのかもしれません。2013/10/08
さとむ
2
ぐっときた。何度か涙があふれた。お薦め良書。2013/09/07
じゃんけん
1
世間で言われる甲子園を中心とした物語以外にも、高校野球のかかわり方には色々なパターンがあると改めて実感した。2014/03/06