出版社内容情報
なぜか鯖縞模様の猫が一番いばっている「鯖猫長屋」には、なにやら“わけあり”な住人たちが……。謎解きと人情が楽しめる時代小説。
【著者紹介】
作家
内容説明
ところは江戸の根津宮永町。鯖縞もようの猫が一番いばっている長屋があった。人呼んで「鯖猫長屋」。猫の名はサバで、飼い主は、三十半ばの売れない画描き拾楽。なぜサバが一番えらいかって?それはサバが永代橋が落ちることを予見し、長屋の面々を救ったから―。そんな猫様が仕切る長屋で次次と起こるふしぎな事件。謎を解くのは、画描きの拾楽?それとも…。突然越してきた美女、大道芸が得意な浪人者…。「わけあり」な人々と猫が織り成す大江戸謎解き人情ばなし。
著者等紹介
田牧大和[タマキヤマト]
東京都生まれ。2007年、「色には出でじ風に牽牛」(刊行時に『花合せ―濱次お役者双六』に改題)で小説現代長編新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪風のねこ@(=´ω`=)
158
雰囲気としては芦川さんの包丁浪人、かたやまさんの猫の手屋を足した感じ。短編仕立てとなっているが一連に繋がっており、また短編の始まりに登場人物に独白させており、それがどう絡んでいくのかと考えながら読み進めるのが痛快。サバの貫禄、素っ気無い愛嬌も痛快。拾楽が絵描きに落ち着いたのは観察眼が有るからなんだろうな。待ち人がテーマ。主人の、親の、弟子の敵。想い人。拾楽も実は掛井の様な人物を待って居たのだろうな。肩の荷を下ろせる様な。片を付ける事が出来るのは、法度ではなく仇討ちでもなく、義理人情の成せる所なのだろうな。2017/02/14
藤枝梅安
129
カバーの中央に三毛猫、その向こうに総髪を後ろで束ねた若い男。「文蔵」に掲載された3編に書き下ろし4編を加えた謎解き噺。主人公は盗人家業から足を洗った絵描き・拾楽と雄の三毛猫。舞台は貧乏長屋。引っ越してきた訳ありそうな美女と大道芸人。歌舞伎に造詣が深いこの作者らしい、舞台設定と登場人物に義理と人情が交錯する展開。芝居を見ているように面白く、楽しく読み進めることが出来る。すべての謎が最後でスイスイと語られ、解決していく。良くも悪くも歌舞伎風で、好き嫌いは分かれるかもしれない。2014/05/30
はる
90
思ったよりもサスペンスタッチ。タイトルや前半の展開からすると、最初はもっとファンタジックな予定だったのかな。人情溢れる長屋の日常と忍び寄る冷血な悪党の対比が巧い。ハラハラする展開の後の爽やかなラストもいい。心地よい読書とはこういうこと。猫のサバは結局何者なの?続編もあるのかな。2016/12/25
天の川
63
人情物の短編集かと思いきや、同時にしっかり謎解き長編。各話の冒頭の「問わず語り」がそのヒント。豆腐好き猫絵師の拾楽さん、豆腐のような白くて柔い方かと思いきや…。世話焼きおてるをはじめ個性豊かな長屋の面々、成田屋の旦那、差配さん…謎を解きつつ、秘密は守る。長屋一エラい、何でもお見通しの三毛猫サバの命令による長屋の人々ね最後の救出作戦が楽しい♪サバの家来、犬のアジの話が泣かせました。2014/07/04
ゆみねこ
62
オスのしま三毛「サバ」と、元盗人で今は猫絵師の拾楽。ワケありの男が曰くつきの長屋に住まい、周りで巻き起こる謎を解く。サバが賢くて可愛くて、猫好きにはこたえられません(笑)成田屋のダンナが良い味で、こちらも良かった。犬の「アジ」、泣かせますね。2014/07/25
-
- 洋書
- Schöne Grü…