出版社内容情報
父の汚名をそそぎたい。そんな思いを胸に秘めた笙之介は…。桜がご縁でめぐり逢った人々。次々に起きるミステリアスな事件。人生の切なさ、ほろ苦さ、人々の温かさが心に沁みる物語。
内容説明
父の汚名をそそぎたい。そんな思いを胸に秘めた笙之介は…。人生の切なさ、ほろ苦さ、人々の温かさが心に沁みる物語。
著者等紹介
宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1960年(昭和35年)、東京生まれ。87年、「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞してデビュー。92年、『本所深川ふしぎ草紙』で吉川英治文学新人賞、93年、『火車』で山本周五郎賞、97年、『蒲生邸事件』で日本SF大賞、99年、『理由』で直木賞、2007年、『名もなき毒』で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
文庫フリーク@灯れ松明の火
363
宮部さんの新たなシリーズが生まれたのかもしれません。事情が有って引きこもりのお嬢さまでありながら、かなり勝気。頭脳明晰でいて人情を解する娘、和香。謎解きの息の合い方といい、意地っ張り具合といい、笙之介(次に登場する時は別の名前でしょうね)とはお似合いのカップルです。早咲きの桜の精として見た、笙之介の眼は確かでした。少し残念なのは第二話の符丁の謎。符丁の解き方までぜひ描いて欲しかったです。伏線として書かれた嘘についての描写‐嘘は釣り針と同じく、引っ掛かったら容易に外れぬよう返しがついている。自分の心に→続2013/03/22
kishikan
313
薄桃色の可愛らしい表紙とタイトル「桜ほうさら」、そして宮部みゆき作とくれば、誰もが興味を持ってしまうところ・・・。かくいう私めも、なかみも吟味せぬまま絶対面白い宮部時代物と確信し(えっ確信?)手にした次第。さてさて600ページを超える長編時代ものなれど、これをどう評価すれば良いものやら。総じてミステリというべきかもしれないが、愛、仕事、上司と部下の関係、嫉妬、友情、助け合い、家族愛、とかという人間関係を時代物という過去の古き日本社会の伝統に置き換えて表現した超大作。さて「ささらほうさら」・・君は何を想う?2013/08/04
myunclek
312
本当にいろんなことがあって、大変でしたね。優しい主人公と、ゆったりと流れる物語に心地よい時間を過ごしました。登場する長屋の住人との心温まる人情話。ラストの展開には、思わず力が入りましたね。さすが、宮部みゆき。読み応えある作品でした。2014/01/30
まりもん
258
父親の死の疑問を解く為に江戸に出て暮らしながら真実を求めるのは大変なことだ。暮らしていくうちに出来た人間関係を大切にしてくらす笙さんを応援しつつ読了。でもお気に入りは子供の太一だな。2013/03/11
かずよ
257
宮部みゆきの時代物に外れはありません。お話自体は、暗い内容なのに、主人公の笙之介の武士からぬ、剣術が全く駄目で、なよなよした性格が、物語の悲惨さを中和してくれてます!その後の和香さんと笙さん、そして登場人物そのままで謎ときシリーズ出来るといいなぁ!2013/07/02