出版社内容情報
遅々として進まない震災瓦礫、新エネルギー政策に垣間見える政官癒着……。環境マインドなき環境省と環境官僚の実態をあばく。
内容説明
進まない震災がれき処理、無駄だらけのごみ行政、偽善のエコロジー政策。「環境マインドなき環境官僚」の実態を元環境省担当記者が暴露。
目次
第1章 「原子力規制庁」にだまされるな
第2章 「御用聞き」の震災対応
第3章 国民の健康はどこへ行った?
第4章 エコブーム狂想曲
第5章 ストップ!「地球温暖化利権」
第6章 ごみ行政は無駄だらけ
終章 かつて、志を持った官僚がいた
著者等紹介
杉本裕明[スギモトヒロアキ]
朝日新聞記者。1954年滋賀県生まれ。早稲田大学商学部卒業。全農を経て朝日新聞記者。廃棄物、自然保護、地球温暖化など環境全般をフォロー。石原産業のリサイクル偽装「フェロシルト事件」を発掘、刑事事件に持ち込む。国と地方自治体の環境政策・行政に精通し、環境カウンセラーとして政策提言など市民活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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香菜子(かなこ・Kanako)
24
環境省の大罪。杉本裕明先生の著書。環境省官僚、環境省職員は地球環境マインドを持たず、環境問題利権や環境保護利権の拡大に邁進していると問題提起する内容。環境省の歴史を知る著者ならではの視点から問題を指摘している感じる一方で、結論ありきで敵対視し過ぎているようにも感じました。これからの時代は地球環境の保護や環境問題にきちんと対応することが日本が国際社会で信頼を得るために不可欠だと思います。2018/10/06
coolflat
4
瓦礫の広域処理の流れが理解できる。国が瓦礫の広域処理について考える契機になったのは2011年4月4、5日から。南相馬市長がこの日に瓦礫の放射線基準を決めないと瓦礫処理は進まないと訴えるが、政策にすぐに結びついたわけでなく、ついで7日、川崎市長が瓦礫処理をしたいと提案。しかしこれにも国は動かず、ようやく8日に環境省は全国の自治体に瓦礫処理の引き受け能力調査をする。その後5月16日に国は災害廃棄物の処理指針を発表。国は最初から狡猾的に瓦礫の広域処理を決めたのでなく、地方から声が上がって、やっと動いたのである。2014/01/05
伊野
2
東日本大震災後の環境省の対応について、主に放射能に汚染された廃棄物の処理をめぐる省内でのやり取りの杜撰さを断罪する。確かに、凄惨な状況に向き合わず、経産省と放射能廃棄物の押し付け合いをするなど、組織の在り方に疑義を感じる部分が多くあった。本書全体を通して感じる理屈の通らなさは、著者のバイアスを考慮してもなお余りあるが、その原因は環境省だけでなく、日本社会における権力者たちの方向性の違いがもたらす歪みでもあると考えられる。環境省では緊急時にそれらを束ねることが出来なかったということ。2020/05/06
jack
0
「喩え、あなたが1兆ベクレルの海で被爆しても、水質汚濁防止法で東電を訴えることは出来ない。それが環境省だ。」 ☆2.82013/03/06
vane
0
変にまとめようとしてないのがいい。最後に中西準子の批判がでてきておどろいたけど、とても納得いくはなしだった。2012/05/26
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