出版社内容情報
「勝つよりも負けないための極意」「完璧を期すより、不完全でも速く仕事を仕上げよ」……最高峰の戦術書のエッセンスが身につく!
【著者紹介】
明治大学教授
内容説明
交渉事から上司・部下との関係まで、仕事とは「戦い」あるいは「ゲーム」だと割り切ればかえって楽になるものだ。ならば負けないための戦略的判断の技術を、中国の春秋時代に書かれた兵法書の古典『孫子』に学ぼう。仕事の環境を味方につける法、「己れ」を知るにはどうすればよいか、組織で求められる人材になるための考え方…。「風林火山」「彼れを知り己れを知らば、百戦して殆うからず」などの、知っておきたい『孫子』由来の名句を吸収し、真に活用する方法をすっきり解説。
目次
はじめに 「日々戦っている人」の必読書
第1章 勝負は戦う前についている!
第2章 「勢」を味方につけよ
第3章 ビジネスパーソンが考えるべき「策」とは
第4章 強い組織は「将」がつくる
第5章 そして、いざ“戦闘”へ
著者等紹介
齋藤孝[サイトウタカシ]
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学大学院教育学研究科博士課程を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社文庫、毎日出版文化賞特別賞受賞)、『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス、新潮学芸賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Carlyuke
31
再読。最初にいつ読んだか覚えていない。大学教授の本らしいと思った。印象に残った部分がいくつかある。ある学生が自分の働きたい業種(マスコミとか出版)の会社にタダ働きを申し出て, アルバイト, 正社員というかたちで最終的には仕事を得たという例。チームが信頼関係を築くためにそれぞれの嗜好する分野(映画, 本, 音楽など)を共有しあい, 一気に風通しの良いチームを結成するアイデア。これらはどちらかと言うと意図していない収穫。セレンディピティ。2018/03/26
シュラフ
30
孫子の兵法というのを読んだことはないので、それが戦略論(方向性)なのか戦術論(個別具体策)なのかは知らない。この本に出てくるいくつかの言葉を読むかぎりでは戦術論のようである。とすれば孫氏の兵法を用いてヒジネスマンとしての処世訓を考えてもかまわないわけだ。だが、斎藤先生の処世訓は少し上すべりの感がある。あまりにも有名な「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」も、部下に忌憚のない意見を求めよという拍子抜けするような斎藤先生の実践的処世訓となる。やはり孫子の兵法は企業の経営戦略論に活かした方が合うのだと思う。2016/01/06
maito/まいと
28
「仕事とは戦い、あるいはゲームだと割り切ればかえって楽になるものだ」と、いう切り口から始まる、斎藤先生の現代風孫子の兵法。が、中身はその切り口ほど純粋に割り切ることなく、孫子の教えを活用するための事例や極意が盛りだくさん。平易でわかりやすく、それでいて説教臭くなく、それでいて「お、ちょっとやってみようか」という思いにさせる斎藤先生の筆使いは今回も健在。ただ孫子の教えが広範囲に及ぶため、相反する要素が登場することも。実践する際には個々の見極めが必要かなあ。2013/05/13
柔
18
孫子2本目。戦争本なのに熱くなったりムキになったりは皆無。戦略は感情に勝る!齋藤先生はいつも僕らに分かりやすく噛み砕いてくれる。「智者の虜は必ず利害を雑う」物事には必ずプラスとマイナスがある。その両面を比較して進むか退くか決めろ!「兵は拙速を聞くも、未だ巧久を賭ざるなり」ジャンプの例えに納得。締め切りが厳しい週刊誌の中で拙速を繰り返しながら成長する。人は追い込まれると強くなる。スラダンも最初は上手くなかったよな。準備はじっくりしっかり、いざ戦い始めたら速攻で決めろ!まだまだ孫子学びます!2021/12/16
太田青磁
12
「戦わずして人の兵を屈するは、善の善なるものなり」事前の分析が重要。「彼を知り己を知らば、百戦して殆うからず」己を知ること、組織内情報共有が大切。ジョハリの窓の盲点に注意。「兵は拙速を聞くも、未だ巧久をみざるなり」スピード優先、数をこなす。「兵の勝は実を避けて虚を撃つ」強みで張り合わず、弱みをフォローする。ミスは自らの問題点を明らかにする。「迂を持って直と為し」単純に考える、場を制する。「智者の慮は、必ず利害を交う」ものごとのプラス面とマイナス面を両方考える。「進みて名を求めず、退きて罪を避けず」真摯さ。2012/09/03