出版社内容情報
「単純な読書は、他人にものを考えてもらっているようなものである」この真意はなにか? 稀代の読書家が役立つ「読書法」を語る。
内容説明
考える力を養うための知的読書法とは。書籍、雑誌、新聞、ネット…。情報が氾濫する現代社会をどう生きるか。血肉となる書物との付き合い方。わかりやすい新訳で読む古典の名著。
目次
第1部 ショウペンハウエルの生涯と哲学(悲観の哲学;幅広い芸術を吸収した若き日々;父親の自殺と強い母親;カントとショウペンハウエル;仏教に影響を受ける;ヘーゲルとの確執と晩年の評価;ニーチェに与えた影響)
第2部 新訳 読書について
著者等紹介
渡部昇一[ワタナベショウイチ]
1930年、山形県生まれ。1955年、上智大学大学院修士課程修了。ドイツ、イギリスに留学後、母校で教鞭をとるかたわら、アメリカ各地でも講義。上智大学教授を経て、上智大学名誉教授。Dr.phil.(1958)、Dr.Phil.h.c.(1994)。専門の英語学だけでなく、歴史、哲学、人生論など執筆ジャンルは幅広い。1976年、第24回日本エッセイストクラブ賞、1985年、第1回正論大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
73
有名なショウペンハウエル『読書について』の渡部昇一氏による新訳本を古本にて見つけ積んでいた一冊。結論から言うと渡部氏の訳と解説が興味深かった。ショウペンハウエル自身についての記述は苦笑してしまう箇所もあり。読書はただ読むだけではなく、消化しなければ意味がない。消化する為には動く事が必要で、それで正しい消化=読書が出来る。本も見極めや会得が出来る。こんなところか。ざっと読了出来た。2023/05/21
月讀命
72
読書とは、自分で考える代わりに、他の誰かに考えてもらうことである。だから思索を伴わなきゃいけない。良いものだけを読み、悪いものは読むな。悪書は時間と労力の無駄。読めば毒になる。流行は追うな。そんなものは50年後存在する価値さえない。古典を読め。言い得て妙なり。ボロボロになった岩波文庫の『読書について』は愛読書なので、1行1行噛み砕きながら四半世紀の間読み続けていたが、これを見つけ、違う解釈もあろうかと読んでみた。良いものだけを読んでも、本当に良いものかわからず、悪いものも読んでみて初めて良書と判るのでは。2013/01/25
なかしー
43
ショウペンハウエルの「読書について」を著者なりに噛み砕いて解説。 ショウペンハウエルの生い立ちについてで、裕福な家庭に育ち、早世した父の遺産で死ぬまで悠々自適に活動って羨ましいなぁ~と思いつつ、晩年には世に評価される作品を出版して「成果?」を出している点は凄いと思った。 私がそんな立場だったら出来る気がしない笑2019/04/26
リョウ万代ホーム施主|貯金おじさん
42
Kindle Unlimited。ショーペンハウエルの読書についてが気になっていたので今回はこっちの方を選択。重要であろう内容の抜粋の後に、筆者の意見が書かれていく内容でした。結構チクリチクリくる言葉が有りました。2016/08/19
かまど
37
『読書をすすめていくうえでの指針』 「読書とは、自分で考える代わりに、他のだれかにものを考えてもらうことである。」をはじめ、多くの名言を残すドイツの哲学者ショウペン・ハウエル。それらの中から読書に関する名言を集め、各々の言葉に解説がついた一冊です。 「ショウペン・ハウエルの生涯」と「読書について」の2部構成になっており、まずその生涯を知ることで、言葉の意味をより深く理解することができます。 そして何よりも、渡部昇一氏の解説が大変参考になります。 (続く)2014/12/05