出版社内容情報
太平洋戦争はなぜ起こったのか。開戦までの足かけ10年駐日大使をつとめた「真の知日派」ジョセフ・グルーの目に映った軍国日本とは。
【著者紹介】
大阪青山短期大学教授
内容説明
開戦に至る10年間、駐日大使をつとめたアメリカ人外交官の目に映った日本とは。彼の本音と視座を踏まえながら、日米開戦に至る昭和前史に新たな視点から切り込む。
目次
第1章 つかの間の平和
第2章 暁の雪
第3章 一発の銃声
第4章 灯火はまたたく
第5章 紫に血潮流れて
第6章 ふたすじの剣と剣
第7章 さだめとはかくもいたまし
エピローグ めぐるもの星とは呼びて
著者等紹介
福井雄三[フクイユウゾウ]
大阪青山短期大学教授。昭和28年(1953)7月鳥取県倉吉市生まれ。東京大学法学部卒。企業勤務ののち、平成4年(1992)から現職。専攻は国際政治学、日本近現代史。行動する社会科学者を信条に、ソ連崩壊の年に地球一周の旅を敢行し、激動する旧ソ連・東欧情勢を直接現地で取材。その後シナ大陸の全域および台湾を踏破(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hitaka
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開戦の悲劇よりも戦時の悲劇の方が印象に残った。また、グルーよりも海軍、山本五十六の大罪の方が印象に残った。主張は明確でスラスラ読めたけど、渡部昇一氏の著作に比べるとやや消化不良。少なくともグルーが日本の友とは思えなかった。2012/05/08
kuwagata
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日米開戦前の10年間に駐日大使だったジョセフ・グルー。彼の目から見た当時の両国の情況が描かれているのだが、このような角度から昭和前史を見つめるなんて、今まであまり無かった試みのはず。日米開戦時の正しい歴史認識を得られる画期的に面白い本だった。2012/04/21
緑のたぬき
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太平洋戦争前後の日本駐日大使ジョセフグルーと太平洋戦争について。グルーと要人の関わりよりも、陸軍、海軍の無能、無責任ぶり、山本五十六、栗田何某がいかに無能で無責任であったかの記述に力がこもっている。真珠湾攻撃の数時間前に米国から平和希求の電文が天皇に届く、宣戦布告文を遅延させ提出した日本人大使館員。著者の言うように、ソ連、中国、米国の思惑通り、日本は開戦させらるべくしてさせらた印象を受ける。2022/04/18