内容説明
タイ・バンコクから北東へ三五〇km。奥深い森の寺で出家した日本人僧のもとを今なぜか、訪れる日本人が増えている。ある人は心を病み、ある人は人生に行き詰まり、救いと癒しを求めて、遠路いとわず訪ね行く。ブッダの叡智と慈悲心を受け継ぐ僧による“現代の対機説法”。仏教のやさしさにつつまれる本。
目次
プロローグ 苦から自由になる教え
第1章 苦しみと向き合い、苦しみを超える―四聖諦編
第2章 よき仲間とともに、苦しみを超える―善友編
第3章 与えることで、苦しみを超える―布施編
第4章 言葉の力で、苦しみを超える―善口編
第5章 「今ここ」に気づき、苦しみを超える―瞑想編
エピローグ スカトー寺の森から
付記 これからの仏教
著者等紹介
プラユキ・ナラテボー[プラユキナラテボー][Phra Yuki Naradevo]
タイ・スカトー寺副住職。1962年、埼玉県本庄市に生まれる。上智大学卒業後、タイのチュラロンコン大学大学院に留学。研究テーマは農村開発におけるタイ僧侶の役割。1988年、瞑想指導者として有名なルアンポー・カムキアン師のもとで出家。以後、村人のために物心両面の幸せを目指す開発僧として活動する一方、日本とタイを結ぶ架け橋としても活躍している。近年、心や身体に病を抱えた人や、自己を見つめたいとスカトー寺を訪れる日本人も増え、ブッダの教えをもとにしたサポートを行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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メガネ
6
人は誰でも人生に行き詰まり、心を病む時があります。そんな時にブッダの叡智を活かし、心安らかな自分を取り戻すための説法が著されています。本書でよく出てくる言葉が「今ここ」。悩み、不安に駆り立てられる時、多くの人は「過去」を振り返ったり「未来」のことを考えています。著者はそのような時こそ、まずは「今の自分を受け入れること」と説いています。悩んだり不安に思ったりすること自体、人にとっては当たり前のことで、それそのものを受け入れてしまうことが大切だと。普段このような本は読まないのですが、なかなか参考になりました。2016/02/13
陽之理
4
今ここに気づき続けること。2017/04/18
nappyon
4
著者と悩める人との対話形式+解説という感じで進んでいく。わかりやすい。『悟らなくたっていいじゃないか』とも被るところが多いけど、この本はその実践という感じ!2017/03/20
やまえつ
4
この本の色は、テーラワーダ仏教の僧侶の袈裟の色か。悩みを持った日本人が、救いを求めてタイの寺院に行く。著者はその寺院の僧侶だ。具体的な悩みごとに丁寧に答える様子とそれの解説の組み合わせは、非常に分かりやすかった。瞑想法も紹介されており、仏教って結局何をするのかが、分かってくる。今ここに気づくことだ。個人的には夢ワークが著者ならではの手法で面白かった。2011/09/30
牛タン
3
Amazon Unlimited. 日本人僧侶プラユキ・ナラテボーさんによる手を動かすタイプのヴィパッサナー瞑想講義。印象的なのは集中するよりも気づきに重きを置くということ。パッパッと体勢を変えていく方法も確かにそれに適しているような気がした。著者自身の経歴も面白くて、学生時代のタイでの研究から発展して開発僧になった後、現在のタイ東北部のスカトー寺の僧侶になっている。そのためか初期仏教の社会における役割というような問題意識をもって書かれる珍しい?タイプの本だった。スカトー寺に修行体験に来る日本人との対話も2018/10/15