内容説明
北一輝、大川周明、頭山満、松井石根―彼らは本来、大東亜戦争に反対だった…。大戦略を構想した巨人たちの語られざる肖像に迫る。日本近現代史のタブーを覆す渾身の力作。
目次
第1部 東京裁判(致命的な失敗;侵略国のイデオローグ)
第2部 松井石根(大亜細亜協会;南京占領)
第3部 頭山満(攘夷から自由民権へ;「脱亜」か「興亜」か;孫文を救え;アジア独立の志士たち)
第4部 大川周明(「天皇」を発見した社会主義者;北一輝との決裂;五・一五事件;対米工作の失敗)
第5部 北一輝(帝国主義と社会主義;国体論;中華民国元年;『日本改造法案大綱』;青年将校;二・二六事件)
著者等紹介
田原総一朗[タハラソウイチロウ]
ジャーナリスト、評論家。1934年、滋賀県彦根市生まれ。早稲田大学文学部卒業。岩波映画製作所、デレビ東京を経て、フリージャーナリストとして独立。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』では、生放送中に出演者に激しく迫るスタイルを確立、テレビの報道番組のスタイルを大きく変えた。活字方面での活動も旺盛で、共著も含めれば著作数は優に100点を超える。現在もテレビ、ラジオのレギュラー、雑誌の連載を多数抱える、最も多忙なジャーナリストである(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いろは
21
教科書のたった一、二行の舞台裏には、こんなに膨大な物語があるのを読みながら実感していた。それにしても、『敗戦で空襲がなくなった。本土決戦で死ぬ危険もなくなった。そればかりか、言論、表現が自由になった。国民が主権をもつことになり、基本的人権が尊重され、生活が豊かになり、何より戦後六十年、私たちの日本は一度も戦争に巻き込まれることもなかった。』とあるけれども、これがもし、逆に日本が大東亜戦争に勝っていたら、どうなっているのだろうと思う。北一輝、大川周明、頭山満、松井石根。東條英機の頭を叩いた大川周明が面白い。2018/10/08
うめけろ
5
欧米からの侵略を阻止するために、仕方なく第二次世界大戦へ突入するしかなかったのか、他の選択肢はなかったのか・・・という話かと思いきや、もっと前の満州事変からの日本の状況や歴史上にはほとんど登場しない、けれども重要な人物に焦点を当てた話でした。なるほど、だから「大東亜戦争」と謳っているワケですね。歴史をちゃんと勉強していないので僕にとっては難しかったですが、それにしても、田原さんの勉強量には恐れ入ります。2012/06/09
シゲジャガ
3
なぜ戦ったのですか???2014/07/23
パロリーヌ
2
普通にさくさく読めました。悪者とみられていた人たちを違う側面から見るというような感じです。日本と中国が互いに歩み寄っていれば大東亜戦争も違ったかんじになったのでしょうか。2013/07/07
aki
1
ともかく読みやすい。400ページを超える本なのに、さらりと読めてしまう。さすがです。北一輝、大川周明、頭山満、松井石根と「正史」にも登場するものの、詳しくは扱われない大立者を中核に据えて日米開戦への軌跡を追った本。扇動者としか思っていなかった北、大川、中国やアジアの革命家たちを経済的に支えた頭山。いずれも人間的魅力に満ちていて、「日本を、なんとかせんといかん」との強烈な使命感を持っている。一度でも会ったら大好きになりそう。北が日蓮に傾倒していたのは有名な話だが、変革の論理としての法華経が気に入ったのかね。2025/04/08