内容説明
遊園地に残された一枚の写真、撮影現場から姿を消した斬られ役―「思い出探偵社」が、人生の謎を解きほぐす。乱歩賞作家が贈るハートフルストーリー。
著者等紹介
鏑木蓮[カブラギレン]
1961年、京都市生まれ。塾講師、教材出版社・広告代理店勤務などを経て、1992年、コピーライターとして独立する。2004年、立教学院・立教大学が「江戸川乱歩と大衆の20世紀展」を記念して創設した第1回立教・池袋ふくろう文芸賞を、短編ミステリー「黒い鶴」で受賞する。2006年、『東京ダモイ』で第52回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
80
思い出探偵その2。短編集。前作に続きイイ感じ。ぜひシリーズを続けてもらいたい。2014/02/07
紫綺
66
舞台が京都の「思い出探偵」第二弾。文中に出てくるサン・テグジュペリの言葉「生きるとは、ゆっくり誕生することだ」には、深い感銘を受けた。幾つになっても、人は新しい自分を誕生させていくものだ、と考えると今を無駄には出来ないと思う。最後にある「自分を励ますための一番の方法は、だれかを励まそうと努力することである」も胸を打つ。このシリーズ、派手さはないがストーリーもしっかりしていて、生きていく糧になる作品だと思う。2011/11/06
hirune
44
みんなややこしい事情を抱えているけど、医師と元看護師、元刑事、元鑑識とかいるし、最強のチームですね。頑張って依頼人の期待に応えることで人脈も広がっていくし。依頼自体は切ない終わり方が多いです。でも、依頼人がたとえ反発しても、情に流されず信念を貫くのは辛いけど必要ですね。最終話の記憶をなくした男性とその妻は礼を尽くして茉希さんに償うべきでしょう。受けた恩を返すことで、彼女の思いを断ち切らないと。残酷なことかも知れないけど。2014/05/26
ゆみねこ
42
思い出探偵シリーズ。人探しではなく依頼人の思い出に関わるものを探す探偵社のお話。風変わりな医者がメンバーに加わったり、心に傷を持つ佳菜子が活躍したり。ただ由美はあまり好きになれなかった。文章は平易で読みやすいけれど、やや表現が嫌いな部分も。茶川のことを『テカったスキンヘッド』とか。ドラマ化したら面白くなるかも?2013/11/01
七色一味
40
読破。2012年の1冊目です。『思い出探偵』の続編に当たる本書では、前作で思い出探偵社の社員だった雄高が抜け、その穴を埋める新人さんの面接から物語がスタートします。ちなみに雄高も後で、依頼人として登場してきますが。由美さんはいつの間にかTVのコーナーを持つようになり、前作でひどい目にあった佳菜子も一人前になるべく奮闘しています。 皆それぞれがそれぞれのスタンスで、依頼人の思い出に「寄り添う」ようにして、誰にとってもっとも良い結末かを考えながら、それぞれの求める結末へと進めていく、引き込まれるシリーズです。2012/01/03