PHP新書<br> スウェーデンはなぜ強いのか―国家と企業の戦略を探る

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スウェーデンはなぜ強いのか―国家と企業の戦略を探る

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  • サイズ 新書判/ページ数 187p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569790220
  • NDC分類 302.389
  • Cコード C0230

出版社内容情報

国を強くした「国民の家」の理念と実践を解説。

個性が尊重され自立心の高い社会を築いた「国民の家」は、なぜ創られ、どのように実践されているのか。日本に欠けているものは何か。

スウェーデンは社会保障が進み男女平等が徹底された福祉国家であると讃美するのも、税金が高く社会主義的な国であると批判するのも、一面しか捉えていない。

▼「伝統的な家族」は崩壊してしまっており、母子家庭・父子家庭や片親の違う兄弟も普通のことだ。ボルボやサーブが破綻しても政府は救済しないなど、米国以上に市場原理主義的な国でもある。

▼その特異な社会・経済を理解するためには、国家を支える理念と、それが生まれた背景を知る必要がある。

▼戦後の高度成長期に必要とされた「国民の家」の理念は、H&Mやイケアの企業戦略、年金制度改革などに、どう実践されているのか。

▼スウェーデンは福祉を経済成長にもつなげている。しかし、それを表面的に真似ても、うまくはいかない。この国から学ぶべきは、個々の政策ではなく、政治・制度に対する国民の信頼という無形の社会資本を形成し、担保するしくみだ。日本がとるべき道を示唆する。

●はしがき 
●第1章 今日のスウェーデン 
●第2章 高度成長期の苦悩とスウェーデン・モデルの誕生 
●第3章 スウェーデンの企業 ――H&Mとイケアに見るスウェーデンの企業戦略 
●第4章 新しい福祉政策と年金改革 ――持続可能な制度の構築に向けて 
●第5章 成長戦略としての福祉 
●終章 スウェーデンから何を学ぶか 
●参考文献

内容説明

スウェーデンは社会保障が進み男女平等が徹底された福祉国家であると讃美するのも、税金が高く社会主義的な国であると批判するのも、一面しか捉えていない。「伝統的な家族」は崩壊してしまっているし、米国以上に市場をうまく使っている国でもある。その特異な社会・経済を理解するためには、国家を支える理念と、それが生まれた背景を知る必要がある。戦後の高度成長期に必要とされた「国民の家」の理念は、H&Mやイケアの企業戦略、年金制度改革などに、どう実践されているのか。

目次

第1章 今日のスウェーデン
第2章 高度成長期の苦悩とスウェーデン・モデルの誕生
第3章 スウェーデンの企業―H&Mとイケアに見るスウェーデンの企業戦略
第4章 新しい福祉政策と年金改革―持続可能な制度の構築に向けて
第5章 成長戦略としての福祉
終章 スウェーデンから何を学ぶか

著者等紹介

北岡孝義[キタオカタカヨシ]
1977年、神戸大学大学院博士後期課程中退。経済学博士。広島大学経済学部教授を経て、2000年より明治大学商学部教授。専攻は金融・ファイナンスの実証分析。2003年にスウェーデン中央銀行(Riksbank)のインフレ・ターゲティング政策の研究のためスウェーデンを訪れて以来、たびたび同国を訪問した。2005年には、スウェーデンの1930年代の物価安定政策の研究のため、訪問研究員としてEIJS(Stockholm School of Economics所属研究所)に滞在した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

(C17H26O4)

46
スウェーデン国民が高福祉のために高負担を受け入れられるのは、政治への高い信頼度に因ることが分かった。政府は国民の信頼を得るために、政治の透明性、情報開示、説明責任を徹底している。福祉重視の政策は国是となっていて、制度改革を行う際には長期的に持続可能な制度の構築を目指しているという。年金改革もこの考えのもとに行われており、日本の場当たり的な改革との違いを感じる。高福祉が経済の成長戦略であることも日本との大きな違いである。セイフティネットの充実により、モラルハザードが起こることが問題点としてあげられている。 2018/08/31

中年サラリーマン

15
なるほど、スウェーデンが高福祉であり女性の社会進出による家庭崩壊の危機を国家の家という方針で守ってきたことは理解した。ただ、本書のスウェーデンの歴史にも書かれていたとおり元々は経済の成長戦略として高福祉が選択枝として必要だから取り組んできたのであり、まず高福祉ありきで経済成長をとげたわけでないことが分かる。それが日本ではスウェーデン型の高福祉にすれば万事OKみたいな紹介をされているのが、論点のすり替えっぽく感じられ胡散臭く感じる原因なのかな。2014/05/05

solaris

8
2010年10月刊行。人口935万人、面積45万平方㎞。福祉国家が持つ強みと反対に抱える問題を知りたかった。国民の男女平等、個性尊重、高い税金負担だが、年金、教育、医療は国が負担する。「国民の家」をスローガンに大きな国家で国民から信頼されている。EU加盟だが、ユーロには加入していない。ユーロ経済に飲み込まれると、自分達のスウェーデン・モデルが持続出来ないと国民は懸念するからだ。基礎年金を国が負担する年金制度を近年改めた。高齢化と財源の問題。日本は対処が遅れている。日本は国家戦略の明確化が課題と思われる。2019/06/09

shigoro

6
理念から政治、政治から信頼を経て、福祉政策や年金改革をおこない、国民から支持される国家となった。社会主義のように税金で平等にしつつも、市場原理を取り入れ、うまくバランスを取っている。高い失業率やセーフティネットからのモラルハザードなど問題もあるが、概ね『国民の家』の信頼の元、想定の範囲内なのかもしれない。日本がマネをしよとも一朝一夕には根本が違うからうまくはいかないな。 2011/08/13

リード

2
スウェーデンを軸にした北欧4ヶ国の特徴など。日本に住んでるとそういったのは分からないと思うし、もっと詳しく知りたい。2018/08/07

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