内容説明
争いの歴史のなかで古代ローマ人は何を得て何を失ったか。ハンニバル戦争での攻防を中心に古代ローマ史の膨大な記録の扉をひらく。
目次
第5部 ハンニバル戦争1(原典:第21巻)
第6部 ハンニバル戦争2(原典:第22巻)
第7部 ハンニバル戦争3(原典:第23巻)
第8部 ハンニバル戦争4(原典:第24巻)
第9部 ハンニバル戦争5(原典:第25巻)
第10部 ハンニバル戦争後半(原典:第26巻~第30巻)
著者等紹介
北村良和[キタムラヨシカズ]
昭和17(1942)年、兵庫県生まれ。東京大学文学部卒業。専攻は支那思想史。秋田大学教育学部を経て、愛知教育大学教授(現在、名誉教授)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ホームズ
14
下巻は第2回ポエニ戦争。ハンニバルとの16年間の戦争の前半に重点が置かれている感じ。カンナエの戦い後「イタリアの盾」ファビウスと「イタリアの剣」マルケルスとの戦い。スキピオ登場後の話は結構駆け足だったのが残念。個人対組織の戦いから個人対個人の戦いに変わったというのは面白かった。上下巻ではなく中巻もいれてもっと掘り下げても良かったのかな~(笑)ローマの歴史においてやはりハンニバルは大きな存在なんだな~。2012/12/15
shou
2
ほとんどハンニバルが主人公。英雄の登場を招くなど良くも悪くも旧態ローマを破壊した大きな存在として描かれ、異国の地で戦い続けた姿は孤高にさえ見える。ローマ人による著作なのに、意外にもスキピオ賛美一辺倒ではないことに驚いた。2013/05/07
mosao82
1
下巻は第二次ポエニ戦争の開戦からハンニバルの敗北宣言までの16年間を書く。アルプス越えからザマまで多くのヤマ場があるが、記述は割と淡々としている。マシニッサを勝ち馬乗りと評したり、スキピオを名誉欲という病にかかった人物と書くのは新鮮だった。終盤のハンニバルの敗戦宣言を読むと、いかにこの戦争が長く過酷なモノだったのかが伺えて感慨深い。また、スキピオの登場とこの戦争を経て、ローマが帝政に向けて大きく変わっていった事もよく解る。とにかく、読み易く面白い。あっという間の500ページでした。2012/05/06