出版社内容情報
このわごむはわたしのもの。おさがりでもなく、みんなで使うものでも、ちょっとだけかしてもらうものでもない、わたしだけのもの。
内容説明
ゴミ箱の横にわごむが落ちていた。お母さんに「ちょうだい」って聞いたら「いいよ」だって。やった!わごむをもらった。このわごむは、わたしのだ!!
著者等紹介
ヨシタケシンスケ[ヨシタケシンスケ]
1973年、神奈川県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。『りんごかもしれない』『もうぬげない』『りゆうがあります』『なつみはなんにでもなれる』『おしっこちょっぴりもれたろう』で、MOE絵本屋さん大賞第1位、『りんごかもしれない』で、第61回産経児童出版文化賞美術賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
353
ヨシタケシンスケは、新作をコンスタントに読んでいる絵本作家です。本日発売の最新作を読みました。面白かったですが、オチが予想通りでした。子供とは言え、流石に輪ゴムを過大評価し過ぎだと思うのですが・・・2019/11/09
zero1
276
どうして子どもは変な【宝物】を大切にするのか?そしてすぐに忘れてしまうのか?輪ゴムから広がるヨシタケらしい妄想の世界。恋人を見つけるのに役立つあたりは、いかにも女の子らしい。でも、大人だって死ぬまで宝物を探してないか?読書人の場合、輪ゴムが本に変わっただけ。だからこの女の子のことを笑ってばかりいられないはず。逆に子どもの頃のワクワク、ドキドキを忘れずにいたい。ヨシタケ作品は大人が読んで深い考察を求められる。だから多くの人に支持される。兄はもれたろう、母はリアリスト(笑)。2020/04/02
馨
266
輪ゴムひとつでこれだけ出来ることが思いつくなんて想像力豊かだなあ。子供にとっては何だって宝物になるのですね。2020/04/12
ウッディ
249
絵本でありながら、大人が読んでも面白いというか含蓄のあるヨシタケさんの本。自分のものになった輪ゴムから広がっていく想像と妄想、おさがりや共有物ではなく、自分だけのものになった嬉しさが溢れていて、微笑ましい。ガラクタであっても、自分にとっては宝物、そんなものが昔はあったなぁ~。物を大切にする心は忘れないようにしないと・・と思っていたところ、輪ゴムが切れちゃった時の何とも言えない表情が面白く、またすぐにクリップに乗り換える切り替えの早さも子供らしい。大人の自分も見習わないといけないことが沢山つまった本でした。2020/05/20
こーた
245
物理学に、ひも理論という考えかたがある。弦理論とか、超弦理論などといったりもする。難しいことはよくわからないが、なんでも伸び縮みするひもが、万物の根本たる素粒子の性質を決める、ということらしい。さて、わごむである。伸びたり縮んだりする輪っかさえあれば、少女は何処へだって飛んでいける。それ自体はありふれた物かもしれない。でもそこから想像を逞しくして、想い考えたことはわたしだけの宝物だ。本を読む。ひとり考える。全部自分の頭のなかだけでやることだ。わごむはそれと似ている。わたしのわごむは、わたさない。2020/04/12