出版社内容情報
東日本大震災後5年の節目に、改めて震災を振り返り、生きる意味を問う絵本。宮城県女川で震災に遭った神田氏と内田先生のコラボ企画。
【著者紹介】
絵本作家
内容説明
震災復興絵はがきで話題になった神田瑞季さん(当時15歳)が手がけた絵本。東日本大震災の惨禍から復興へ…。あすへのきぼうを、内田麟太郎さんが一人の少女の心象風景として詩に託し、神田さんが絵に挑みました。4~5歳から。
著者等紹介
内田麟太郎[ウチダリンタロウ]
1941年福岡県大牟田市生まれ。個性的な文体で独自の世界を展開。『さかさまライオン』(童心社)で絵本にっぽん大賞、『うそつきのつき』(文溪堂)で小学館児童出版文化賞、『がたごとがたごと』(童心社)で日本絵本賞を受賞。絵本のほかにも、読み物、詩集など作品多数
神田瑞季[カンダミズキ]
1995年宮城県女川町生まれ。7歳から石巻市内の美術研究所に通い、現在、東北芸術工科大学グラフィックデザイン学科に在籍。15歳の時に描いた震災関連の絵が女川町の震災復興絵はがきとなり、またその絵がスペースシャトル搭載のDVDに収められ、話題を呼んだ。女川町の瓦礫処理場で壁画を制作するなど、被災地からメッセージを発信しつづけてきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
98
15歳で東日本大震災に遭遇した神田瑞季さんが描いた絵本です。内田麟太郎さんの優しく透明な詩と、瑞季さんが見たままのあり得ないような震災の風景。ドラマなどではぼかしてしまう部分だからこそ、被災者からの表現は衝撃でした。「なみだはあふれるままに、ほほえみはこぼれるままに」。読むことは祈ること。暖かな痛みを感じる絵本でした。2016/03/04
パフちゃん@かのん変更
77
東日本大震災の津波でおじいちゃんを亡くした女の子。心象風景を詩に書いたのは内田麟太郎さん。絵は震災当時15歳だった著者神田瑞季さんが描いています。喪失感、絶望・・・復興や希望へと前向きに生きて行こうとする姿。描けなかった海の絵を描けるようになった。どんなに辛いことがあったって、生きている以上、落ち込んでばかりはいられない。幸せに生きて行ってもらいたいと願います。2016/05/05
馨
49
震災の絵本。やんわりと描いていますが実際はもっと残酷な光景が沢山あっただろうと思います。そんな中での子供たちの純粋無垢な笑顔というのは本当に力になるものですね。2016/08/20
tenori
45
絵本(絵:神田瑞季/女川町)です。震災から10年の節目。この本を改めて読んでみて、希望って何だろう?と考える。大人は当時の子供たちに希望を押し付けてはいなかったか。希望という目には見えないものを、無垢な子供たちの姿に重ねていなかったか。この10年、『希望の子』として育ってきた子供たちは、変化する街の風景から何を見つけてきたのか。街から出てもいい。ただ、いつでも迎えてくれる街であってほしいと思う。25歳になった神田瑞季さんにも、希望だけにとらわれない創作活動に期待したいです。2021/03/10
かおりんご
38
絵本。津波でおじいちゃんをなくした子の話。津波そのものの話ではなく、残された寂しさや、でも前を向いて生きていく生命の力強さがメインな感じ。命を扱う教材だとしてならいいのかな?物語というより詩なので、小さい子は分からないかもしれません。2016/03/15