出版社内容情報
絶滅したニホンオオカミをめぐる冒険譚。
時は大正。千疋狼伝説に沸く帝都東京。本多佐与子は、兄が消息を絶った森へと向かう。森にはオオカミと暮らす人々がいて……。
千疋もの狼が農村に襲来!? と千疋狼伝説に沸く帝都・東京。女学校に通う本多佐与子は、あまり意に添わない縁談の話を、家族から勝手に進められてしまう。沈んだ気持ちを明るくしてくれるのは、地方民俗の調査に出かけている兄からの手紙と、一緒に送られてくる『動物画報』という冊子を読んでいるひと時。兄から久しぶりに届いた手紙と一緒に入っていたのは、スケッチの切れ端のようだった。ふと差し出し場所を確認すると、狼があらわれたという場所と同じ三峯村。兄の身を案じた佐与子は、家を相棒・栗鼠の風太郎とともに抜け出し、兄と交友の深かった『動物画報』の編集長・葉山一美らの助けを借りて三峯村へと向かう。捜索中に滑落した佐与子たちを救ってくれたのは、狼と暮らす人びとだった――。
▼「定め」に抗いながらも懸命に生きるものたち、そして「変わりゆくものの哀しさ」「変わらざるものの愛おしさ」を秀でた構想力で描ききった長篇ファンタジー。
●序章 千疋狼
●第一章 月太に導かれて
●第二章 彷徨、妙法山
●第三章 白い牙
●第四章 朱い月の夜
●第五章 ヤマイヌ
●第六章 祈り遥か
●終章 幻の里
内容説明
文明をすすめる者、森の暮らしを守る者、そして狼と心通わす少女。一枚の絵が、彼らを結びつけるとき、人びとの絆が失われ…。「定め」に抗いながらも懸命に生きるものたちを描く長篇ファンタジー。
著者等紹介
澤見彰[サワミアキ]
埼玉県生まれ。大学で民俗学を研究するかたわら、作家を目指して絵や文章の勉強を続け、卒業後、らいとすたっふ小説塾にて田中芳樹氏の薫陶を受ける。2005年『時を編む者』(光文社)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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