出版社内容情報
英雄の血をひく美しい王女に運命はあまりにも苛酷だった。内蒙古最後の王女の波瀾の半生を描き、少数民族の側から中国の半世紀を跡づ
内容説明
1927年、内モンゴル・オルドスにチンギス・ハーンの血を受け継ぐ最後の王女スチンカンルが生まれた。17歳の冬、父の従者だったボロルダイと結婚し、一人息子に恵まれて穏やかに暮らしていたが、中華人民共和国建国後、その人生に暗雲が立ち込める。スチンカンルは反革命分子のレッテルを貼られ、使役に駆り出され、祖先を祀る聖地を開墾する屈辱に甘んじなければならなかった。そして、あの文化大革命が始まる―。著者の楊海英氏自身も内モンゴル・オルドスの出身。中国で現在もなお続く苛烈な民族問題の知られざる実態を、激動を生き抜いた女性の半生を通じて描きあげた迫真のドキュメンタリー。
目次
第1章 黄金家族のたそがれ
第2章 草原の夜明けの星
第3章 草原に上った赤い太陽
第4章 モンゴル高原にのしかかる中国の黒雲
第5章 中国人の「牛鬼邪神」
第6章 吹きすさぶ文革の嵐
第7章 名誉回復への道
著者等紹介
楊海英[ヨウカイエイ]
モンゴル名オーノス・チョクト。1964年、内モンゴル自治区(南モンゴル)オルドス生まれ。北京第二外語学院大学日本語学科卒。1989年来日。別府大学、国立民族学博物館・総合研究大学院大学で文化人類学を研究、中京女子大学助教授を経て、静岡大学教授。2000年に日本へ帰化、日本名は大野旭(おおの・あきら)。2010年『墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(岩波書店)で第14回司馬遼太郎賞受賞。2018年には第19回正論新風賞受賞
新間聡[シンマサトシ]
1925年、静岡県生まれ。東亜同文書院大学中退。地方紙記者を経て52年から85年まで大阪読売新聞社で記者をつとめ、科学部長、論説委員等を歴任。86年から90年まで北京第二外国語学院の日本語教師をつとめた。故人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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