出版社内容情報
芸術都市フィレンツェのダンテ『神曲』とミケランジェロ≪最後の審判≫を中心に、世界遺産の本質的価値と日本の観光戦略を読み解く!
本書は平城遷都一三〇〇年を記念し、芸術都市を考える上でフィレンツェをモデルとしたダンテ・フォーラムを、第一部「世界遺産モデル・フィレンツェ」と第二部「ダンテ&ミケランジェロの芸術案内」として再編纂したものである。そして、第三部「世界遺産フィレンツェに学ぶ」を書き加え、歴史を踏まえながら、芸術・文化・言語・アイデンティティなど、多面的に都市の様相を捉えることにより、観光立国を目指すこれからの日本の世界遺産戦略を考える。
▼ダンテ、ミケランジェロ、ジョット、国中連公麻呂、将軍万福など……東西の巨匠たちが築き上げた“芸術都市”のグランドデザインから、ユネスコが提唱する「世界遺産プロジェクト」を読み解く。
▼本シリーズ(9)『芸術都市の創造』の続編であり、エンゼル叢書発として、「地球市民・地球社会」の立場からソフトパワー政策を実現するための「芸術都市――アテネ・奈良・フィレンツェ」構想を提言する一冊である。
●まえがき
●序章 芸術都市の誕生
●第一部 世界遺産モデル・フィレンツェ <講演1> 歴史の視点から見た魅力 <講演2> 芸術の視点から見た魅力 <講演3> フィレンツェに学ぶ観光戦略 <討論> ルネサンスの「より源流に、より本質に」
●第二部 ダンテ&ミケランジェロの芸術案内
[I] ルネサンス研究の新視点 <講演1> ミケランジェロ、ダンテの芸術世界 <対談> ルネサンス芸術の愛の意味と形
[II] 「煉獄の誕生」による芸術表現の変化 <講演1> ≪最後の審判≫と「煉獄」をめぐって-ミケランジェロとダンテの関わり <講演2> 煉獄という異界 <対談> 「天国・煉獄・地獄」の三界のイメージ
●第三部 世界遺産フィレンツェに学ぶ <論考1> ダンテ『神曲』にみえるルネサンス精神-言葉の力・文学の力 <論考2> 芸術都市の危機管理 <論考3> 芸術都市・奈良とフィレンツェの魅力
●あとがき
内容説明
観光立国をめざすユネスコの「世界遺産戦略」とは何か。「芸術都市―アテネ・奈良・フィレンツェ」構想を提言。ダンテ、ジョット、ミケランジェロ、国中連公麻呂、将軍万福…巨匠たちが築き上げた“芸術都市”のグランドデザイン。
目次
芸術都市の誕生
第1部 世界遺産モデル・フィレンツェ(歴史の視点から見た魅力;芸術の視点から見た魅力;フィレンツェに学ぶ観光戦略;ルネサンスの「より源流に、より本質に」)
第2部 ダンテ&ミケランジェロの芸術案内(ルネサンス研究の新視点;「煉獄の誕生」による芸術表現の変化;対談 「天国・煉獄・地獄」の三界のイメージ(横山紘一×田中英道))
第3部 世界遺産フィレンツェに学ぶ(ダンテ『神曲』にみるルネサンス精神―言葉の力・文学の力;芸術都市の危機管理;芸術都市・奈良とフィレンツェの魅力)
著者等紹介
樺山紘一[カバヤマコウイチ]
昭和16年、東京生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院修士課程修了。専攻は西洋中世史、西洋文化史。京都大学助手、東京大学助教授・教授を歴任。平成13~17年まで国立西洋美術館館長。現在、東京大学名誉教授、印刷博物館館長。財団法人エンゼル財団のダンテ研究プロジェクト「ダンテ・フォーラム」において、プロジェクト当初より協力
田中英道[タナカヒデミチ]
昭和17年、東京生まれ。東京大学文学部卒業後、ストラスブール大学ドクトラ(Ph.D.)を取得。東北大学で文学博士号を取得。専攻は西洋美術史。現在、東北大学名誉教授、国際教養大学特任教授。国際美術史学会副会長。財団法人エンゼル財団のダンテ研究プロジェクト「ダンテ・フォーラム」において、プロジェクト当初より協力
江藤裕之[エトウヒロユキ]
昭和38年、福岡県生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業。同大学院にて社会学、英米文学の修士課程を修了後、2000年ジョージタウン大学よりPh.D.、2002年上智大学より博士(文学)取得。現在、東北大学大学院准教授、森永エンゼル財団評議員、同エンゼル学芸研究所フェロー。専門分野は言語学・英語学
須賀由紀子[スガユキコ]
昭和38年、大阪府生まれ。津田塾大学学芸学部国際関係学科・筑波大学大学院修士課程修了。専門分野は生活文化論。現在、実践女子大学准教授、森永エンゼル財団主任研究員(非常勤)
熊倉次郎[クマクラジロウ]
昭和44年、神奈川県生まれ。早稲田大学哲学科卒業後、マルチメディア作品の企画・制作、リゾート滞在型生涯学習プログラムの研究開発、ブロードバンド向け動画コンテンツの制作・配信などに携わる。現在、リベラルアーツ総合研究所代表
松田義幸[マツダヨシユキ]
昭和14年、山形県生まれ。東京教育大学卒業。尚美学園大学理事長・学長、森永エンゼル財団理事。専門は生活文化史、レジャー社会学。職歴は日経広告研究所研究員、余暇開発センター研究主幹、筑波大学助教授、同大学院客員教授、実践女子大学教授等を経て現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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