出版社内容情報
戦後最大級の経営破綻はなぜ起きたのか。日本きっての政治評論家が政官財の「空の癒着構造」を暴き、JAL再建計画のまやかしを斬る。
2010年1月19日、日本航空は会社更生法の適用を申請した。日航グループの負債総額は、2兆3200億円。この目を疑うような額の債務が、なぜ今になっていきなり表面化したのか。著者は政治評論家という立場から、25年前より日航をめぐる「政官財の癒着」に着目、日航の会社組織の腐敗を指弾してきた。利用者の都合は二の次で、ひたすら航空運賃を高止まりさせてきた過去の歴史や、官僚とのもたれ合い、派閥抗争を繰り返して経営を歪めてきた労組の問題。これらを精査すれば、日航が更生することはあり得ない、と著者は断じる。その日航に偽りの再建計画をあてがい、貴重な税金を投げ入れることを、なぜわれわれが甘受しなければならないのか。一企業にすぎない日航に政府が肩入れすることは、自助努力で経営を続ける全日空にとってはアンフェアきわまりなく、自由競争の否定にほかならない。国民を馬鹿にしたこの茶番を、絶対に許してはならない。
●第一章 迷走するJAL ――再生を期待するのは大甘だ
●第二章 航空利権の正体
●第三章 二十五年前から続く「お上依存」と「無責任」
●第四章 利用者無視の航空行政
●第五章 JALは潰してこそ甦る
内容説明
戦後最大級の経営破綻を生んだ政官財の「空の癒着」を暴く。
目次
第1章 迷走するJAL―再生を期待するのは大甘だ(日航再建は天下の愚策;日航が潰れても誰も困らない ほか)
第2章 航空利権の正体(政官業の利害が一致する「空港利権」;尋常ではない日航と政官の結びつき ほか)
第3章 二十五年前から続く「お上依存」と「無責任」(「困ったときには国が助けてくれる」;被害者意識丸出しの経営陣 ほか)
第4章 利用者無視の航空行政(日航と霞が関のもたれ合い;早々に「日航救済」に転じる ほか)
第5章 JALは潰してこそ甦る(許されない日航のダンピング;これは「日航救済」の名を借りた「全日航潰し」だ ほか)
著者等紹介
屋山太郎[ヤヤマタロウ]
昭和7年、福岡県生まれ。東北大学文学部仏文科卒業。時事通信社に入社後、政治部記者、ローマ特派員、官邸クラブキャップ、ジュネーブ特派員、解説委員兼編集委員を歴任。昭和56年より第二次臨時行政調査会(土光臨調)に参画し、国鉄の分割・民営化を強力に推進した。昭和62年に退社し、現在、政治評論家。第17回正論大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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